３月２７日の権利落ちの日、やけに強いなと不思議に思っていたら、
引け後に「東証１部に指定替え」というニュースが出ました。
１部に指定替えになると、TOPIXに組み込まれます。
TOPIX連動型投信などは、新たに株数を揃えて買わなければいけないので、
実需買いが発生します。
実際のところどれだけの実需が発生するのでしょうか。
○TOPIX（東証１部銘柄の浮動株修正後）の時価総額は、４月末で267兆円です。
http://www.tse.or.jp/market/topix/data/b7gje6000000550l-att/b7gje6000004iw77.pdf
○TOPIX連動投信の運用総額は、正確にはわかりませんが…
主だったものを見てみると…4兆円程度でしょうか。けっこうでかいですね！
ダイワ上場投信 トピックス 1兆1093億円
http://etf.daiwa-am.co.jp/funds/detail/detail_top.php?code=5841
野村 TOPIX連動型上場投資信託 1兆5865億円
http://www.nomura-am.co.jp/fund/funddetail.php?fundcd=141306
日興 上場TOPIX 7666億円
http://www.nikkoam.com/products/etf/lineup/topix/fcreport
三菱UFJ MAXISトピックス上場投信 1801億円
http://www.am.mufg.jp/fund/181348.html
TOPIXの総額に対して連動投信の規模は、おおよそ1.5％程度の規模と推測されます。
つまり、東証１部に上場になると発行株の1.5％が連動投信に買われるという予測です。
実際には、TOPIXの算出時には、浮動株の比率に応じて修正が入りますので、
浮動株の少ない銘柄はそれに応じて減ります。
寿スピリッツの場合はどうでしょうか。
発行株式1037万株のうち、浮動株は２８．２％（293万株）とのことです（四季報）。
東証では、５月末の組込時のFFW指数を0.375と定めました。
http://www.tse.or.jp/market/topix/data/b7gje600000054ph-att/change-j.pdf
東証的には、TOPIXの計算上の株数は389万株というわけです。
投信各社で買うのはその１.５％ですから、4万4千株程度の需要と見込まれます。
ここで、寿スピリッツの出来高を見てみると、
３月中は１日１万株も出来高がない日がけっこうありました。
4万4千株の実需買いはそれなりにインパクトがある、というわけです。
そして、何より妙味があるのが、
指定替えのニュースが出てから実際にTOPIXに組み込まれるまでに時間差がある、ということです。
（今回は３月２７日発表、５月末に組み込み）
機関投資家の実需買いに先回りして仕込むことが可能だったのです。
とにかく、絶対に買わなければいけない人がいる以上、
買って買って吊上げてから売りつけようという魂胆です。
（ほんとにそんなに上手く行くのかね！）
今の膠着相場でこれといったテーマ株がないせいもあり、
数少ない高値追い銘柄に人気が集まります。
私の心配をよそに４月５月とじわじわ上昇を続けます。
５月１３日の決算発表の前には、
ヘッジ売りなのか売り仕掛けなのか分かりませんが、一旦反落します。
この日、信用売りの残が買い残と同じぐらいまでになります。
そして決算は、３期連続の最高益・来期の純利益は+１５％という強気の見通し。
株価は猛反発します。
大量の空売りも誘発し、１４日は逆日歩が発生しました。
来期の１株純利益が141.7円予想ですから、15日現在の株価2560円はおよそ18倍です。
株価水準的にはそろそろ天井ではないかと思います。
しかしまあ、みんなが上げ過ぎだと思うから空売りが増えているわけだし、
実需発生はまだこの後だし、一体とこまで引っ張るのか…
ちなみに、同じく５月末にTOPIXに組み込まれる銘柄のうち、
アサンテやジョイフル本田、西武HDなどもこのところ新高値を更新して好調です。
TOPIX連動型の投信の規模がでかくなってきたので、
以前より１部指定替えという材料が重要視されるようになってきたのでしょうね。
