4/27(日)日経新聞、Sunday Nikkei。
村上春樹作「女のいない男たち」に対しての、
ホントウに核心を突いた批評だ。
亡くなられた秋山駿が、三島由紀夫に面と向かって放った批評に匹敵するくらいの
衝撃があるのではないかと、心配になるほどだ。
さらに追い打ちをかけるのが、次の抜粋だ。
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(略)すると楽しめるのは残りの「シェエラザード」と「木野」くらいとなる。
とはいえ、執筆順序からすると第一作とともにはじめに書かれたらしい第五作の「木野」は、
そういう読者をも立ち止まらせるただならぬ力をもつ秀作であって、
なぜこの短編集がかくも「不揃い」となったのかをも考えさせる喚起力を持っている。(略)
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ふ~ん、加藤典洋もオイラと同じく「木野」がイイと思ったのかぁ。。
けど、加藤はここで「木野」を単純に褒めているわけではない。
加藤の残りの文章を読むと、何かを暗示するかのような表現をとっている。
これはかなり、意味深である。
あなたは、加藤の書いた文章の行間から、いったい何を読み取るのであろうか?
「記憶は何かと力になる」
どういう妙なのか、
同日の日経新聞に「三島由紀夫のローマ 上」という記事があった。
若き三島は、ローマに視察へ行った折り、
「聖セバスティアヌス」の絵画や彫刻を見て、深く感銘を受けたとされていた。
セバスティアヌスはローマ帝国の軍人であったが、
皇帝が弾圧していたキリスト教を信仰していたことが発覚し、処刑された人物だという。
彼を元にした作品は、三本の弓矢で処刑されている瞬間だというのに、
不思議なエロティシズムにあふれており、
見た者の心を捕らえて放さない。
「聖セバスティアヌス」は三島に大きな影響を与え、
「仮面の告白」、「天人五衰」など作品が生まれたという。
PS:「007」読みたいなぁ、村上春樹作の。。
いつか書いたみたいに、大沢在昌とタッグ組むのもオモロイと思うけど。