年初に起こった新興国の通貨下落や中国のシャドーバンキング問題
そしてウクライナ問題と、株式市場に売り材料は次々と湯水の様に湧いて来ます。
しかしその度に株価が最も過敏に反応するのは東京市場であり
多くの場合、下落時は常にオーバーシュート気味であるのに対し
戻りは海外市場の後追いをする様にタイムラグが生じることもしばしばです。
しかも東京市場は国内要因より海外要因に強く反応するという何とも奇怪な現象が見られます。
その理由として「海外勢の参入ウェイトが高いから(60%以上)」だと言われますが
本当にそうなら、逆に海外市場と同じ反応をしなければ理屈に合いません。
恐らく本当の原因は、日本の投資家が海外勢に振り回されやすいからで
日本人投資家のレベルが低いこと。投資家の絶対数が少ないこと。
さらに日本人は外国人に比べ心理面で弱い所為ではないかと考えています。
因みに投資家のレベルが低い原因は、投資に対する日本人特有の倫理観にあると思います。
つまり日本では歴史的に「株式投資=ギャンブル」的な発想が根強く
今でこそ堂々とNISAで個人投資の拡大を図っていますが
相対的に投資経験で後れを取っていることは事実でしょう。
それでも2000年以降NET取引が一気に拡大し
個人が情報を入手しやすい環境が整ったことや、「みんかぶ」の様な情報交換の場も充実し
今では個人投資家のレベルは格段に向上していると思います。
しかし東京市場が海外市場より悪材料に過敏に反応する傾向は変わっておらず
心理面の弱さにはまだ課題が残りそうです。
ところで東京市場は外人の売買高が6割を以上占めると言われていますが
少なくともこの比率が縮まない限り、東京市場の不健全さが改善されることは無いでしょう。
余談ですが、2月の1日当たりの売買高は東一・東二・東M・JQの合計が2兆8523億円で
6割に相当する売買金額は1兆7114億円、4割で1兆1409億円になります。
従って国内勢のシェアが5割に達するためには1日当たり5705億円足りない計算になりますが
NISAで新規5兆円の投資資金を市場に取り込んだとしても
年間営業日数を250日とすれば1日当たり200億円の増加にしかならず
東京市場の外国人比率が低下することはどう考えても不可能だと言えます。
余談序にもう一つ。
昨年6月に東証が公表した24年度のデータによれば
国内の個人投資家数(株式を保有している人の総数)は4596万人(国民の約3人に1人)だそうで
日経新聞によれば、1ヶ月に10回以上売買するスイングトレーダーが45万人
デイトレーダーはおよそ5万人とありました。(現在はもう少し増加していると思われます)
つまり国内の個人投資家は1日平均27万人以上が売買に参加している計算になり
日本の人口のうち20歳以上が占める割合はおよそ7300万人なので
国内成人の270人に1人が毎日株の売買を行っていることになります。
この実態を前向きに捉えれば需給の改善に一役買っていると言えますが
逆に株価の振幅を大きくする要因にもなることから
ジェットコースター相場が起こりやすくなるという点には注意が必要だと思います。
因みに「みんかぶ」の会員さんは現在およそ32万人だそうですが
会員さんが全員で資金を拠出し「みんかぶファンド」を立ち上げれば
一人10万円で320億円ですから結構な運用資金になります。
一人100万円なら3200億円
こりゃスゲエ ∑(OωO; )??
まあクリミア紛争の事ばかり考えても仕方ないのでこんな馬鹿な妄想をしてみました (^_^;)
さて今週は経済指標など何の役にも立たないプーチン相場に明け暮れそうですが
クリミアがロシアへの帰属を望むのなら民意を尊重すればいいと思います。
欧米諸国が幾ら制裁行動に踏み切ろうが
プーチンの大統領任期は2018年まであり、再選されれば2024年まで居座ることになります。
もどかしい話ですが現在の各国首脳がそれまで政界のリーダーを務めていることはあり得ません。
残念ながら持久戦になればプーチンに分がありそうです。