現在1ドル103円を挟み上下している対ドル円相場ですが
前年度の終値と新年度1月の終値を比較した時、新年度初月の方が円高で終わると
およそ70%の確率でその年は円高(逆の場合も同様)になるというアノマリーが存在するそうです。
つまり昨年末が1ドル105.39円で終えていますから、今月の終値がそれよりも円高なら
今年は高い確率で円高になるという訳です。
しかし市場は米国のテーパリングと日銀の異次元緩和を天秤に掛けた上で
昨年より対ドル円安を想定している向きが多い様に感じますが
実際は米国の景気が上向いているため円安政策が放任されているだけだと思います。
その証拠に、先日ルー財務長官が以下の様な発言をしています。
◇不公平な為替レートに依存すれば日本の長期的な成長はない
◇日本の為替政策を注視し続ける
個人的には、サブプライムショックを引き起こした上に全世界を深刻な金融不安に陥れ
挙句に量的緩和政策でドルを刷り続けて来た米国から
今更そんなことを言われる筋合いは無いと少々憤りを感じますが
米国に睨まれれば手も足も出せなくなるのは必定です。
因みに、このところ円が買い戻されている最大の理由は新興国の通貨問題かも知れませんが
背景には米国に釘を刺された事実が燻っているのではないかと勝手に推察しています。
もしそうであれば投資家心理として
昨年の様に安易に円売りドル買いに走り難くなるのではないでしょうか。
昨年日本国内はアベノミクスへの期待で大きく盛り上がりましたが
他人の幸福は妬ましいというのが現実なのかも知れません。
所詮国際社会(特に先進国)というものは表向き協調を唱えていますが
腹の中では自国のことしか考えていません。
結局今の日本に欠けているものは経済政策だけでなく外交政策であり
改めて政治と経済は表裏一体だということをルー長官の発言が物語っている様な気がします。
(ご参考)
昨年のドル円相場(年間)、2012年度(1ドル79.79円)→ 2013年度(1ドル97.60円)
昨年のドル円相場(月間)、2012/12(1ドル83.58円)→ 2013/12(1ドル103.41円)
昨年末のドル円相場(1ドル105.39円)、2014年1月末 →(?????)