元祖SHINSHINさんのブログ
い・ま・な・ん・じ
この言葉を目にした時、思わずゾクッとした。
ある週刊誌の見出しで
「○×会から、5,000万円のお・も・て・な・し」を見た時には、笑ったけど。
こういう「お・も・て・な・し」亜流パターンが、全世界で流行ったりして・・・。
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(略)午後九時すぎ、錦城は焦点を失った眼を開くと、何かしきりに話そうとした。
白っぽい唇がふるえる。話の内容を推し量って、モトが大声で何か云ってみるのだが、
錦城は弱く首をふるだけで、その伝わらないことがいかにも口惜しそうである。
「字で書かせてみたら」との付添の看護婦の言葉に、4Bの鉛筆をにぎらせ、
下敷きを当てた半紙をふとんの上にかざした。
モトと間宮の二人が手を添え、錦城の鉛筆が動き出した。
「い」「ま」名刺ほどの大きさの乱れた字が書かれる。
それにつれて紙を動かす。「な」「ん」「じ」
枕もとの人たちは、いっせいに声を立てた。
「九時二十分!」
大声で時間が告げられ、錦城から見える位置に柱時計がかけられた。
だが錦城の眼は二度とその時計を仰ぐことなく閉じられた。
時計をめぐってあわただしくさわぎ立っているうちに、錦城は息をひきとっていた。
(略)
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★「総会屋錦城」
城山三郎著 新潮文庫 630円+税 S38.11.5.発行、H23.2.10.七十五刷
P.64より抜粋
この「総会屋錦城」は直木賞作品だという。
昭和三十八年に発行された書籍である。
そんな昔の書籍中に「お・も・て・な・し」亜流パターンを見たのだから、
そりゃ驚いたわけ。
魔坂、「お・も・て・な・し」スピーチをした女性タレントは、
実は「総会屋錦城」を読んでいて、思いついた(パクった)のだろうか??
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