元祖SHINSHINさんのブログ
世界最注目と言われるチェコ作家
その作家の代表作が、
日本にて初訳されたという帯に惹かれて読んでみた。
★「もうひとつの街」
ミハル・アイヴァス著 阿部賢一訳 文藝春秋 1,900円+税
2013.2.28.初版 2013.6.30.2刷
オイラには慣れない文体だったので、
序盤からストレスがたまってきた。
「こんのイタチ野郎!」
などと、作品に登場してくるわけのわからんキャラに、
思わず罵倒を浴びせていた。
もう読むのをやめて、早く「007白紙委任状」に移ろうとも思った。
これはもう、オイラにセンスがないからこの小説の良さがわからないんだろう、
そんな諦めの境地と、
いやいやこの王様は裸なんだという鬱屈とした気分とで、オイラは揺れ動いたのだった。
しかし後半に至るとイライラしていた文体にも慣れてきて、
なんとなく惹かれていった風。
絵画でいうとシュールレアリズム、文学でいうとファンタジーっていう奴なんだろう。
宮崎駿の「千と千尋の神隠し」とか、村上春樹っぽい作風ではあるのだが、
はっきり言って、ストーリー性は彼らの作品よりも数段劣ってみえる。
が、これは素人判断なのだろうか。
解説によると、哲学などに造詣が深くないと
この作品の良さをよく理解できない可能性が高いようだ。
そういう意味では、素人にはわかりにくいピカソ的な作品なのかも知れない。
最新の物理学にも造型がないといけないだろう。
リサ・ランドールとか。
自分の身近な空間にこそ、「あの世」があるんだよ的な意味合いで。
というわけで、哲学に疎く、物理は表面的なことだけ知っているオイラには、
この作品を1/3~1/2程度にしか理解できなかったのだった。
-
タグ: