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金持じゃなくっても、幸せかもしれない

川上弘美「神様」、大沢在昌「氷舞」、

村上春樹「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を、今は同じ読みしている。

相場をみたり、期限切れデータベースアプリケーションのメンテをしながら。

好きなことばかりしているので、なかなか充実感のある時間を過ごせており、極上だ。

これで仕事のギャラが上がって、相場にも爆勝ちできればというのは、まぁ幻想だけど。

 

序盤から、早く次を読みたいと思うのは「氷舞」なのであるが、

そこをグッと我慢して3~4作品を同時に少しずつ読んでいる。

 

一番短かった「神様」を読み終わってみると、

「先生の鞄」のこともあって、

オイラは川上弘美にも、すっかりとハマっているのと気がついた。

彼女の文体とその雰囲気がとても気に入ってしまう。

 

その中の「春立ち」と「離さない」という短編には、

浅田次郎の「月島慕情」に近いような感情を抱くに至る。

ここをもっと追求・解明すると、浅田次郎の右フックをものにできる可能性がある。

 

オイラには既に、痛烈に書きたいことが幾つかあって。

それをストレートに書いたって、今ひとつな作品になるのは目に見えているので、

いろいろな人気作家の作品を読み込んで、良いところはすべて盗むつもりだ。

 

オイラの書きたいことは、ストレートに書いてしまうと誠に暗い話になる。

どんよりと暗い純文学を書いても、当然オモロクはない。

そこにこの川上弘美節を加えれば、悲惨で暗い話が、実にユーモラスでオモロイ話に転換できる。

「悲惨を通り越すと、そこには笑いが待っている」とは、芥川賞作家の大道珠貴が語ったことだ。

 

TPPという深刻な話を、

ユーモアの力でオモロイ話に転換して、

みんなに周知しようとした中野剛氏のユーチューブ動画戦略と、通ずるものがある。

 

重松清の「その日の前に」から得た、

”短編が繋がったものが長編”という考え方は、なかなか大事なエッセンスのひとつに感じた。

こういう考え方があれば、「幻魔対戦」のような中盤でのひどい中だるみはなくなる。

 

海堂尊の「ジーン・ワルツ」と「マドンナ・ヴェルデ」からは、

”長編と長編がオモテとウラとで繋がるのもありなんじゃないか”という、

なかなかオモロイ考え方も知った。

可能なら最新の知見が一枚加わると、この作品のようにオモロさがグッと増すことも。

 

新宿鮫シリーズからは、

強力なキャラクターが数名いるだけで次の作品も読んでみたくなるという要素と、

何よりストーリーの面白さが土台になるのだと知った。

新宿鮫を読んでしまうと、麻薬のような中毒になる。

彼の小説ハウツー本に書いてあることは、全部ホントウだと知ることになる。

 

小説千本ノックを受ければ受けるほど、オモロイ発見がある。

 

「あの世にカネは持っていけない、経験だけがすべてなの」

という、伊勢白山道さんの言うことは真実かもしれない。 

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