minnsann123さんのブログ
12/16 ロイターのコラムより
河野龍太郎 BNPパリバ証券 経済調査本部長
コラム:日本経済を蝕む「モルヒネ中毒」
個人の要点・・・中央銀行が国債を引き受けることは慎むべきだ。
全文を、あるワープロソフトの要約機能で1割に要約したら、次のようになった。
わずかな例外を除き、日本では過去20年にわたって、財政政策も金融政策も緩和方向に偏った極端な政策運営が続けられている。軽微な景気減速の際にも追加財政や金融緩和が発動され、さらに最近では日本銀行による財政赤字のファイナンス(マネタイゼーション)を可能とすべく、財政制度や中央銀行制度を変更すべきだとの前代未聞の提案まで聞かれるようになった。
筆者が常々指摘していることだが、財政政策や金融政策など裁量的なマクロ安定化政策そのものに、新たな付加価値を生み出す力はない。マクロ安定化政策が企図するところは経済変動の平準化であり、消費水準のボラティリティを抑えることで家計部門の効用を高めることである。消費水準そのものを高めることが企図されているわけではない。マクロ安定化政策だけで潜在成長率を引き上げ、消費水準を恒常的に高めることは不可能である。もしも、そうした政策だけで潜在成長率を高めることが可能だとすれば、古今東西、あらゆる国がすでに豊かになっていたはずである。
マクロ安定化政策が一見して経済成長率を高めるように映るのは、財政政策を通じて「将来の所得の先食い」が、金融政策を通じて「将来の需要の前倒し」が可能になるからだ。
潜在成長率の低下を認めず、必要な改革を先送りし、裁量的政策を駆使することで目の前の経済状況の見栄えを良くするという政治手法は、欧米諸国でも長く用いられてきた。将来世代に負担を先送りする選択がなされやすいことは、洋の東西を問わず、代議制民主主義を採用していることのコストだと言えよう。
だが、臨界点に達すれば、財政危機、金融危機、経済危機を招き、われわれの経済・社会制度に壊滅的な打撃を与えることは、歴史が証明している。
個人的なメモ
1 要約機能は十分に使えるレベルになったのではないかということ。
2 河野氏の論点は分かりやすくて、自分がかねてより思っていたことを整理してくれたということ。
3 このコラムでの指摘が今後どの程度日本の経済政策と照合されていけるか、注目したいということ。
そもそも、赤字国債は急場しのぎで始めたのに、継続することやその金で公共事業を推進することで日本を支えてきたのは自民党と官僚ですね。そうやってできた利権がらみで政治家が官僚と手を組んで日本を動かすことに異を唱えたのが小泉さんではなかったのでしょうか。
現実に、ヨーロッパのある国は、4分の1が公務員で、競争力をなくした経済力で超インフレになっているようですが、国債を持っているのが国内外の銀行です。国民が外国に借金をする事態に陥っている訳です。通貨はどんどん安くなり、原材料費と借金の金利や賃金が上がった分を輸出で取り戻そうにも、そんな高価な製品は売れない。従って、国債を売り出しても、金利を高くしないと売れない。これがインフレの怖さです。(インフレのきっかけはユーロに切り替えたときの金余りかな。経済成長の余地が大きかったからか・・・)
日本は、国債を国の貯金で日本の銀行が買っています。つまり、日本は自分の貯めたお金を借りて経済を支えているのです。従って、経済成長率を2%位にしないと、借金が返せないわけです。(昔はそれでも7%の成長で借金がどんどん目減りしたので返せました。)それを、今では赤字国債として貯金の2倍も国債を買っている、つまり、借金が貯金を超過することで成長していた訳です。
従って、輸出で稼いで貯金を殖やさないと、借金を返せない。なので、世界的な不況などで景気が悪くデフレ気味になると極めてまずいことになる。これが現在ではないでしょうか。さらに、経済力の向上を金回りを良くすることにだけに頼ってしまうと、金利が上昇して賃金が上がらないことになりかねません。それがアメリカの財政の崖問題なのではと思いますが・・・。(低賃金のため雇用が戻ってくるのは皮肉な結果です。バブルがはじけた結果なんですが・・・)
昔は、こんな時に、戦争などの軍需産業の振興で景気回復できたのですが、今は経済戦争なので、自分の足を食べるタコのような真似はできないのでは無いでしょうか。
以上が私の考えです。(ところで、ユーロ圏では国債償還で額面の3分の1しか返さないことで、銀行が泣き寝入りすることに合意せざるを得ませんでしたね。それでも、これ以上借金をしないようにせよと言われた国民は政府を非難しているようです。が、消費税は上げるだけ上げているので、収入を増やせない政府は財政出動できないのです。日本をそんな国にはしたくないです。)
河野さんの論説は不合理だらけですね。
1)公共事業に偏った財政政策は過剰雇用創出で、インフレ要因でなくデフレ要因、、不良債権増大要因だったのに、誤解している。
2)金融政策が十分緩和的でなかったからこそ、通貨価値増大=デフレ的状況持続だったのに、誤解している。
3)今、提案されているインフレ目標政策は市場を通すので、河野氏の言うマネタイゼーションではない。 市場金利調整が財政規律を強いるから。
4)金融緩和は通貨価値の低下=物価・資産価格・労働価値の上昇を生むので、設備投資、消費を刺激するのに、誤解している。
5)マクロ安定化策は景気変動によるロスを抑えるので潜在成長率を高める効用を持つのに、誤解している。 バブル、デフレを抑えることはイノベーションの喚起にもつながる。 マクロ安定化策だけが潜在成長率上昇要因でないが、それは重要な要因である。
6)金融緩和で起きるのは、需要の前倒しでなく、通貨価値の過大により過剰に抑えられた需要の復調なのに、誤解している。
、、、、インフレ目標などの金融政策と市場原理の活用(規制緩和、公的資金シェアの縮小)、、この二つが潜在成長率上昇策の基本。
だから、市場を歪める公共事業の景気対策・財政政策は当然不可です。