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立ち止まる才能

小説は読者に選ばれた段階で、すでに心理の波長が合ったものなのだが、

深く読み込まれた時には、その読者にとって、完全なオーダーメードの存在になる。

小説のおおまかな目的は、目的などという区別をしなくても、

賢い読者が動物的な嗅覚で自分にあった作品を探し出すという点で、

これ以上望めないほど微妙な選択が可能な世界であり、

しかもそれが社会のどこからも強制されていない、という点で自由なのである。

少なくとも、今の日本では、こうした絶妙な力関係が成り立っている。

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この抜粋は、三島の市ヶ谷での行動を批判したエッセイに出てくるもの。

「創造・想像」と「現実」との距離感が、小説家にはとても大事な才能で、

それを「立ち止まる才能」と題した模様。

 

三島は、立ち止まることができなかった。

オイラもかつて、立ち止まることができなかった。

 

★「堕落と文学 ~作家の日常、私の仕事場~」

  曽野綾子著 新潮社 2012.4.20.初版 P217より抜粋

 

抜粋した赤字の部分が、妙にオイラに感応した。

賢いかどうかは別にして、オイラは書籍を選ぶ時ほとんど迷ったことがない。

知らず知らず自分なりの基準はあるのだろうが、よく考えたこともない。

目字くらいは目にするけど。

 

なので、これはたしかに「動物的な嗅覚」をフルに活用しているのかも知れない。

この部分は小説だけでなく、音楽や映画などにも当てはまるだろう。

 

ひょっとしたら、オイラに憑いている卷族が、

耳元で「読め」と囁いているのかも知れないけれど。

 

「堕落と文学」はオイラにとって、実にアタリな書籍であった。

どのエッセイにも、気づきや学びがあふれていたんだ。

 

曽野綾子氏のDNAは、美味しすぎるぞ。

何回でも読み返したい気分だ。。

 

 

 

 

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