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 残土処分費詐欺事件 広島市職員を逮捕

 広島市内の建設会社が、市発注の道路工事で出た建設残土の処分費を市に水増し請求してだまし取ったとされる事件で、広島県警広島地区暴力団等特別取締本部と広島西署は10日、東広島市高屋町高屋東、広島市職員岡本大介容疑者(37)を有印私文書偽造・同行使、詐欺の疑いで逮捕した。公共工事に絡む詐欺事件は、市職員への強制捜査に発展した。

 県警の調べでは、岡本容疑者は、後藤興業(同市佐伯区)社長の後藤教子ゆきこ(45)、同社役員で夫の後藤昌平(48)の両容疑者=いずれも佐伯区観音台1丁目=ら5人と共謀。安佐北区役所土木課に勤務していた2010年3月中旬、後藤興業が受注した安佐北区の市道拡幅工事で、虚偽の工事設計書や偽造した産業廃棄物管理票を同区役所に提出。別業者に委託処分した残土を実際より多く装い、同月30日、市に水増し分を含む工事請負代金として約843万円を振り込ませ、だまし取った疑い。

 県警によると、岡本容疑者は当時、この工事の現場監督員を務めていた。「昌平容疑者から残土の水増しを持ち掛けられ、うその工事設計書を作った」と供述しているという。県警は、昌平容疑者が岡本容疑者を脅し、便宜を図らせたとみて背後関係を捜査している。

 市によると、岡本容疑者は1993年、職員に採用。08年4月から安佐北区役所土木課に勤め、10年12月から休職している。市人事課は「職員が逮捕されたことは大変遺憾。詳細を把握し、事実関係が明らかになれば厳正に対処する」としている。

 県警は10日、後藤教子、昌平両容疑者ら5人を有印私文書偽造・同行使、詐欺の疑いで送検した。

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