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memo:DJ 次回のFOMC

DJ-【Fedウォッチ】議長の議会証言、次回FOMCでのサプライズを示唆6月8日 12時15分ニューヨーク(ダウ・ジョーンズ)6月19日~20日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)は、市場にとってこれまでにないほど不透明なイベントになるかもしれない。

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長による7日の議会証言は、一段の景気刺激の必要性や実効性についての疑問をまったく解消していないとみられるためだ。議長は、向こう数週間は政策担当者にとって検討期間になると述べたが、これは次回のFOMCの結果が通常よりもサプライズが多くなる可能性があるということだ。

欧州の債務問題が今なお悪化し、米国では1日に発表された5月の雇用統計が期待外れに終わるなど、軟調な経済指標が続いていることから、バーナンキ議長の議会証言には大きな期待が寄せられていた。市場は他のFRB幹部らによる最近の発言を受け、FRBの見通しをめぐる疑問を議長に解明して欲しいと望んでいたのだ。FRB幹部の多くは、低迷する米景気を押し上げるためにFRBが追加緩和措置を取る可能性について公に言明するようになっている。

実際にはそうする意思があるのかもしれないが、バーナンキ議長は上下両院合同経済委員会で、将来的に追加刺激策を講じる用意があると強調しつつも、具体的な手段には言及しなかった。

バーナンキ議長は議員らに対し、「あなた方の質問には直接答えられない。そうするには時期尚早だからだ」と述べた。FRBは現在、多くのことを検討する必要があるという。雇用のペースが年初に比べて鈍化している理由はまだ明確になっていない、と議長は指摘した。また、雇用拡大を促進するためにはどの程度の成長が必要なのかも不明だ。

FRBは、米経済が直面する問題が実際に追加金融緩和によって解決されるかどうかについても検討を進めている。バーナンキ議長は議員らに対し、「明らかに議論の対象から外れていることが何かとは申し上げられない」とした上で、どの景気刺激策が最善なのかについては「まだ結論が出ていない」と述べた。また、FRBがどのような戦略を講じるにせよ、過去数年間の金融政策措置に比べると、そこから得られる「リターンが小さくなる」という事態に陥っているのかもしれない、と議長は指摘した。

金融市場関係者の多くは、バーナンキ議長からより具体的な手がかりを得られると期待していた。アトランタ地区連銀のロックハート総裁は6日、成長見通しに対する懸念の高まりに言及し、一段の景気鈍化が示されるようなら行動する必要があるかもしれないと述べた。FRBのイエレン副議長も同日遅く、米経済を保護するために一段の措置を講じるのは「妥当かもしれない」と述べ、FRBにはまだ行動の余地があると指摘した。

ここ最近は複数のFRB幹部が講演を行っているものの、バーナンキ議長が7日に示したあいまいな姿勢のバロメーターとして最も優れているのは、米ニューヨーク連銀のダドリー総裁による直近の講演だったかもしれない。同総裁は、米経済が追加刺激策を必要とするほど軟調になりかねないと指摘しながらも、FRBが追加緩和を実施する根拠はまだ存在しないとの見方を示した。

エコノミストらは、FRBが進む方向性はまだ完全には明らかになっていないという。

FRBが短期債を売却して長期債を買い入れる「ツイスト・オペ」を6月末に延長し、同措置の終了を遅らせる「可能性は依然として高い、とわれわれはみている」とIHSグローバル・インサイトのエコノミスト、ポール・エデルスタイン氏は顧客向けレポートで述べた。また、「バーナンキ議長の発言を踏まえると、FRBは向こう数カ月間の経済指標の動向を見極めようと判断し、7月31日のFOMCまで決断を引き延ばすだろう」と指摘した。

RBSのエコノミストらは、バーナンキ議長の発言について「行動する用意はあるが、緊急性は高まっていない」と解釈した。

FRB幹部らが6月のFOMCの結果についてより多くの手がかりを示すことができたとしても、FOMC前は無言を貫くことが通例であることから、その機会は失われつつある。つまり、6月後半に何が起こるのかという疑問の解決は、いつも以上にFOMCに委ねられることになるのだ。このような背景から、次回のFOMCはFRBにとって極めて重要な会合になるだろう。
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