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心筋梗塞抑えるホルモン特定

心筋梗塞抑えるホルモン特定 名大チーム 

2012年5月8日 00時51分







 がんに次いで日本人の死因で多い心臓病の一つ、心筋梗塞を抑制するホルモンを、名古屋大大学院医学系研究科の大内乗有(のりゆき)教授や室原豊明教授らのチームが、マウスの実験で特定した。結果は、米科学誌「ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」電子版に掲載した。

 心筋梗塞は、動脈硬化によって血管が詰まり、十分な栄養が心臓に行き渡らなくなる病気。細胞死が進み心停止に至ることもある。肥満は心筋梗塞を引き起こす原因の一つで、脂肪から放出されるホルモンが影響していることは以前から指摘されており、大内教授らは、脂肪から放出されるホルモン「CTRP9」に注目した。

 16匹のマウスを2グループに分け、一方にだけこのホルモンを大量に投与。その後、すべてのマウスの心臓の動脈を一定時間縛って血流を悪くしたところ、ホルモンを投与したグループの心筋梗塞を起こす部分の大きさは、もう一方のグループの7割程度にとどまった。ホルモンを投与していないマウスに動脈の縛りをほどいた直後にホルモンを投与すると、こちらも心筋梗塞が7割程度しか起きず、心臓の細胞死を抑制する働きがあることを見つけた。

 また、肥満のマウスの血中のホルモンが、健康なマウスの半分程度しかないことも判明。肥満でホルモンが減少すると、心筋梗塞になりやすい状態になることが分かった。

 大内教授は、「肥満状態で低下するホルモンを正常値に戻す薬剤の開発につながる。心筋梗塞が起きた後の投与でも効果があり、急性期の補助療法にも期待が持てる」と話している。

(中日新聞)

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