マーケットを疑い観察する

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2012/04/30 - はるるっぴさんの株式ブログ。タイトル:「マーケットを疑い観察する」 本文:素人のひとりごと日記です。 新しい年度に入ったので懇親会に参加した。懇親会で若手の女性社員があるスポーツ選手の大ファンだと、満面の笑みで話をしてくれた。

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マーケットを疑い観察する

はるるっぴさん

素人のひとりごと日記です。

 

新しい年度に入ったので懇親会に参加した。
懇親会で若手の女性社員が
あるスポーツ選手の大ファンだと、満面の笑みで話をしてくれた。

 

「ファンレターに自分の写真を入れて渡したいくらいです~」(^^♪

 

と言っていた。

 

するとその話を聞いていたベテランの男性が

 

「いいねぇ~それ」
「写真修正できるから、大丈夫だよ~」

 

とほとんど何も考えずに喋っていた。

 

同席していた彼女と同期の男性社員が

 

「え~!」
「修正ですか~・・・それはちょっと・・・」(・.・;)

 

と一言

 

しばらく懇親会の場に緊張感が漂った。

 

言葉には気をつけるべきでしょう。
(わたしの日記も反省するところは多い。)

 

さて

 

今回の上昇相場は、ECBのLTROによるグローバル・マクロ戦略
(世界のマーケットで影響力があり、自由裁量戦略が中心)の
ポジション調整から本格的にスタートした。

ハイブリッド・ブックでユーロも相当空売りしていたのでしょう。

 

欧州債務危機が続いているので、普通は買われるはずのない
売り持ちの多い通貨ユーロもアンワインドで上昇した。ポジション調整に
CTAのロボットトレーディングが参戦してきたので、振幅を増幅させた。

 

グローバル・マクロ戦略とは、簡単に書くと
「もうかることならどこでも何でもしますよ~」といった感じのもの。

 

相当、株価が上昇すると、あまり株のことを知らない人の
買いが入ってくる。


株のことを知らない人、一般的な専門家のほとんど強気になってくれば
株価の天井へのテストはいったん終わりに近いことが多い。

 

・・・

 

箇条書きにする。

 

○財神金貨

 

少し前、上海のICBC(中国工商銀行)に行く人がいたので有名な敬財神金章(財神金貨)
を買ってきてもらった。その時の金相場は高かったので、10gのコインで3790元だった。

 

中国で金(ゴールド)など高価なモノを買うときは
偽物とすり替えられることもあるので
ICBCなど信用のあるところで購入されるのがよいと思う。

 

足元、人民元が弱くなっているので、日本人の感覚だと、人民元を使っている
中国現地の人たちは1オンス1900ドルで金を買っているイメージだと思う。

 

日本人は、マーケットの値決めの通り1600ドル台半ばの感覚。円は流動性か高いので
消去法的に買われている。(一般的には円高と言われている)


世界で見れば、日本人は、金(ゴールド)を「比較的」安く買うことができる。

 

この話をファイナンシャルプランナーにすると、チマチマと手数料の話をする。
上手な買い方も、買いのタイミングもよく知らないようだ・・・


金ETFがデリバティブであることも知らない人もいる。
(金投資と一言で言っても本当は相当難しい。)

 

いずれにせよ金(ゴールド)価格は、高いと言うより通貨米ドルの価値が薄まった。


米国のマネタリーベースを見れば、金融の知識が少しでもある人ならば
誰でもわかると思う。

 

○リーマンショック第2ステージと欧州債務危機第3ステージ

 

リーマンショック第2ステージは、根本的、構造的な問題が解決していないので
このまま行くと、いずれ日本人が忘れた頃にやってくる可能性を否定できない。


以前ご紹介した本で、リーマンショックを的確に予想した

ラグラム・ラジャン教授の著書


「フォールト・ラインズ」

大断層が金融危機を再び招く

 

そのようになる可能性を否定できない。
金融緩和は、時間稼ぎの効果しかない。(今もこれをやっている。)

 

中央銀行は景気の引き締めはできるが
金融政策によって景気を回復させることはできない。

 

経済を一つのボックスにたとえると、中銀は糸でそのボックスを引っ張ることはできるが
(景気の引き締め)糸でそのボックスを向こう側に押しやることはできない(景気の拡大)。
ためして実験するとわかると思う。

 

金融緩和によって景気はいずれ回復に向かうと言っている専門家は間違っている。
「金融緩和によって株価の上昇が期待できる」は、正しい表現だと思う。

 

ECBの特効薬LTRO


Long-Term Refinance Operation(通称:ドラギマジック)によって
欧州債務危機は、鎮静化していたように見えた。

 

しかし、その危機は、再燃する兆候が出てきている。

 

もちろんFRBがQE3などの金融緩和によってサポートする可能性はある。
十分な資金がないので、今のところ口先だけでサポートしている感じもする。
(伝家の宝刀QE3は温存しておいた方がよいのでしょう。)

 

アメリカの財政問題もある。アメリカの借金は想定より減っていない。
これも多くの投資家が忘れた頃にまた問題が表面化してくる。

以前、JP何とかと名のつく会社の人が「人間は忘れる動物ですよ~」と言っていた。

 

先日の日経新聞に「財政の崖(fiscal cliff)」とする表現が出ていた。


バーナンキ議長の発言の中にもある。
これはFRBの金融緩和の効果を薄めるので注意を要する。

 

ECBのLTROの効果もいつまでも続かないだろう。

ヨーロッパの魅力的なリアルタイムグロス決済システム(RTGS)として宣伝されている
ターゲット2(TARGET2)のバランス問題もある。
(参照:コルレスバンク)

 

今では、ユーロ圏の数少ないAAAの国で、ターゲット黒字国のオランダまで
政治的に不安定になってきた。

(S&Pの主なユーロ圏AAAは、ドイツ、フィンランド、オランダになる。)

 

スペインの国債格下げは、材料折込済みと考えてもよいが
国債が格下げされると、その国の金融機関、企業にも格下げ圧力がかかる。


資金調達が困難になる。

 

一般的にはソブリンCDSが700bpを超えると危険水域と言われている。
しかし、600bpを超えると危険水域と思う。

 

世界金融危機の前、地中海クラブもあり、スペインの不動産バブルは絶好調だった。
その反動は小さくはない。


水準的には、1990年代の日本の不動産バブル崩壊よりも深刻だろう。


スペインがユーロ圏の主要国であることも問題を複雑にする。

そのスペイン不動産バブルのときにお金を貸していた
金融機関の問題も再び表面化するだろう。

 

さらにその先に証券化商品と名のつく金融商品がたくさん組成されている。

 

アメリカの信憑性の高い景気指標
S&Pケース・シラー全米住宅価格指数の下落が続いている。


その先にある証券化商品に懸念を示す専門家は意外と少ない。

ABX指数は、依然として厳しい状況を示唆している。

 

そもそも今回の金融危機の出発点を間違っている専門家もいる。
2006年3月9日、日本銀行による量的緩和金融政策から無担保コールレートに
調整目標を変更したときが出発点のひとつになる。

 

もどって、スペインの不動産バブル崩壊は規模が大きく
さまざまな悪影響がでてくる。


欧州債務危機は、第三ステージ?にすでに入ったかもしれない。

 

将来、ギリシャ危機と言っていた頃がなつかしくなる。
(だからユーロが売られるとする単純なものではない。需給もある。)

 

以前、専門家の話や経済専門誌などにも書かれていた
アメリカの「出口戦略」と言った言葉も
今となってはなつかしくなっている。

 

企業の経営者の方とお話をすると、ドイツ、フランスはもちろん
イタリアも日本人にはあまり知られていない技術力の高い企業はある。


スペインは、聞かない。(個人的な話)

 

美しい観光地と美味しいワインの話は聞く。

 

○空売りの王様、ジム・チェイノス氏

 

以前、日記でもご紹介した空売りの王様、ジム・チェイノス氏。

 

先週号の日経ヴェリタスの記事に記載されていた。

 

中国についてネガティブなコメントをされている。


何度か日記に書いたルービニ教授も中国を実査されて
中国経済の問題点を指摘されていたと思う。

 

わたしも中国に行って、その都度、考えさせられることは多かった。

 

ジム・チェイノス氏は

中国経済に占める固定資産投資の比率が驚異的な比率であることを指摘されており
少なくともわたしにとっては参考になる記事だった。

 

欧州経済はリセッションに入っている。


中国の輸出の3分の1が(くわしくは専門家へ)欧州向けなので
その影響も受けるだろう。

 

中国政策当局に対して日米欧のようにさらなる金融緩和に期待する声もある。


しかし、FRBの金融緩和の副作用などで、すでに数年前から
インフレリスクが表面化しており
中国政策当局の舵取りは容易ではないと感じる。

 

今回の世界金融危機を警鐘されてきた優秀な人たちが
中国経済に対して慎重な見方をしていることに注意したい。

 

This Time Is Different(直訳すると今回は違う。中味は今回も同じ)の
著者ケネス・ロゴフ氏もそのひとり。

 

万一、経済が混乱する時は、国民の不満を外に向けることがあるので
日本は注意が必要に思う。

 

もちろん中国の良いところもある。

 

○アルゴリズム取引

 

日経平均先物も含めアルゴリズム取引が活発になっている。


長期投資家は、これは苦手です。

関わりたくないが無視できない。

 

制空権(デリバティブ市場)を外国人が主導しているので
日本人の理屈が通用しないことが多い。

 

マーケットの動きに素直に反応すると判断を間違えることがある。

 

株価が上昇すれば強気、株価が下落すれば弱気の専門家の話を聞いていると
やっぱり高いときに買って安いときに売らないといけない。


どうして投資で成功するのかわからない。

(短期的には成功することはあるでしょう。)

 

もっとも「アルゴリズム取引がやっていることですからわかりません。」と言って
解説すると専門家の仕事がなくなるので
専門家らしいもっとも適当な理由を選んでいるような気がするときもある。

 

最近では

 

株価が上昇すれば欧州に対する投資家の不安が後退したと言って
株価が下落すれば、欧州に対する不安が再認識されるようになったと言う。

 

どっちなの・・・

 

(・・?

 

アルゴリズム取引がマーケットに大きな影響を与えているので
一般的な専門家の話は、あまり説得力がない。

 

○金融緩和

 

金融緩和と聞けば、聞こえはよいが、相当の劇薬です。


キツイ薬を飲んでいるのと同じで、副作用がある。

ステロイドの注射を打ち続けているようなイメージかもしれない。

 

ECBのLTROでも、あまり信用できないところがお金を借りているので
将来、返してもらえるとは思えない。

 

もちろん短期的な効果はあり
金融緩和によって、株価が上昇する。

 

良いインフレと悪いインフレがあるのと同様に
良い株価上昇と悪い株価上昇がある。


前者だと嬉しいのですが、現実はなかなか厳しい。

 

金融緩和によって景気が回復することはない。

時間を稼ぐ効果はあるので、その間に構造的な改革をしてほしいもの。

 

○積極的ではない集中投資

 

マーケットを疑うことも必要に思う。


マーケットが必ずしも正しい判断をする訳ではない。

 

積極的に集中投資するよりも

積極的ではない集中投資をする方が良い面もある。

 

人間は本来動物なので難しい面もありますが

無機質になることも必要に感じる。

 

ある程度損失がでれば、自動的に損失を確定したり
小さな損をたくさん出したりする。
利益を得るためには、正しい分析と時間軸の活用が必要になる。

 

株式投資は、損切りができてはじめて成功する可能性が出てくると思う。

 

積極的に集中して投資をしようとすると
儲けよう儲けようとする意識が強くなり失敗することが多くなる。

(わたしは、プロですよ~と自信のある投資家は別です。)

 

今年は、オリンピックの年ですが、選手もメダルとメダルの色を意識して
積極的に集中して成功しようと
強く意識すれば逆にミスを誘発しやすい。

 

気持ちのコントロールが重要になるのでしょう。

 

投資でも同じような一面もあると思う。

 

不安定なマーケットだからこそ、感情に流されず
リスク管理を徹底したいものです。


正しいリスク管理の勉強も必要だと思う。

決めつけないことも重要だと思う。
一方向だけに過度に期待する投資はできれば避けたいもの。

 

何か守る資産があるときには、ヘッジする方法を学ぶべきと思う。

(個人的な考え)

 

人間は判断ミスをすることが多いので
金価格分析やサイクル分析、人間の心理分析など何か投資の軸になるものを
持つとよいかもしれません。

 

過剰流動性相場では、空売り筋の踏み上げなどで

株価が上昇することもあるので
良い銘柄の方が上昇しないことがある。


長期投資家の判断を難しくする。

 

エネルギー問題、地政学的問題などたくさんある。
引き続き注意が必要です。


株価は、不安定な動きをしやすいと思う。

 

マーケットに振り回されるのではなく
マーケットの値決めを疑い
客観的に観察し、冷静かつ慎重に判断することも必要に感じる。

 

投資家のひとつの羅針盤となるのが歴史を学ぶこと。

 

「温故知新」

 

投資は学べば学ぶほど慎重になる。

 


 

1件のコメントがあります
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いつもながら素晴らしいですね

よい勉強をさせていただいてます!

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