最近、東大・早稲田・慶応の学生に売れている歴史本だそうです。
高校でも大学でも専門外の科目はあまり勉強しなくなったので、その補完として読まれているようです。
しかし、この本、書かれたのは40年以上も前(1967)。
オーストラリアに白豪主義が残り、南アフリカで日本人が名誉白人とされ、米国で公民権運動が活発だった時代の著作。 まだ、人種差別意識が根強い時代の著作。
そのため、中身に誤りが散見されるうえ、全体のトーンも西洋中心史観が色濃い(翻訳者が歴史学者でないのもむべなるかな)。
ほとんど歴史を勉強してない学生が、これを読んで歴史を知った気になるのは如何なものか、と思う。
東大生などがこれを読んで、欧米コンプレックスを持ったまま、官僚になり政治家になって外交交渉に当たったら、欧米に気圧されることになるでしょうねえ。
今の官僚や政治家にもそういう類の不勉強なヒトは数多いますが、さらにひどい状況になる。
結論的に言えば、この書物は買ってまで読む価値はない。
この書物を読むならば、19世紀前半以前に欧米人によって書かれた歴史書も合わせて読むべきです。 そういう書物では欧米中心史観はなく、東方コンプレックスが色濃い。
当たり前です。
それ以前の欧州は東方からの侵略を受けまくってきたうえ、欧州の東半分はトルコに支配され、地中海の制海権も握れていなかったのですから、、、。
歴史観が時代によって大きく変わることを知るべきだし、直近に書かれた歴史書を複数読んで、正確な歴史的事実を知るべきだと思うのです、、、日本でエリート(特権階級?)とされる東大生ならば尚更のこと。