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ECB理事会後のドラギ総裁の発言要旨

ロイター 1月12日(木)23時12分配信
[フランクフルト 12日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は12日、主要政策金利であるリファイナンス金利を1.00%に据え置いた。 下限金利の中銀預金金利も0.25%に、上限金利の限界貸出金利も1.75%に、それぞれ据え置いた。
理事会後に開かれた記者会見でのドラギECB総裁の発言要旨は以下の通り。

<3年物オペは信用収縮の回避に貢献>
銀行システムの資金調達を大きく妨げることになり得た状況を明らか回避した。これは信用にマイナスの影響を及ぼす可能性があった。金利はすべての期間において、目を見張るほどではないにしても大幅に低下している。
<3年物オペは効果的>
初の3年物流動性供給オペの実施から時間がたつにつれ、同オペが効果的な政策措置であったことを示す一段の兆候が見えてくる。それまで全く機能していなかった無担保債券市場の一部が、オペ実施後に再び動き始めたことも確認した。
<大きな信用収縮みられず>
融資の伸びは緩やかだが、融資に関するデータは、ユーロ圏全体に関し、昨年11月までに金融市場の緊張の高まりが大規模な信用収縮を招いたことは示されていない。
<銀行はECBに預金していない>
全般的に、ECBから資金を借り入れた銀行がECBの預金ファシリティーを利用しているわけではない。
<国債買い入れプログラム>
金融政策の伝達経路の目詰まりを解消することが、証券市場プログラム(SMP)を正当化する主な理由だ。短期金融市場は依然機能していない。ただ無担保債券市場はある程度機能していることが確認できており、これは安心材料だ。ただ、このプロセスは始まったばかりだ。
<インフレ率は数カ月後に2%下回る公算>
12月初旬以降に入手した情報は、これまでのわれわれの評価を概ね確認する内容となっている。インフレ率は今後数カ月2%を上回って推移し、その後2%を下回る公算が大きい。
<金利決定は全会一致>
この日の決定は全会一致だった。
<ECBは来月利下げする可能性があるかとの質問に>
このように不透明性の強い状況では、全ての要因を検討する。全ての動向を監視し、それから判断する。
<緩やかな景気回復>
2012年のユーロ圏経済活動は、緩やかながらも回復すると引き続き予想している。世界の需要や超低水準にある短期金利に加え、金融セクターの機能促進に向けてECBがこれまで講じてきた全ての措置によって支えられることになる。
<安定化の一部兆しと経済見通しに対する下振れリスク>
継続的な金融市場の緊張が、引き続きユーロ圏の経済活動の足かせとなっている。その一方で、最近の調査結果の一部によると、低水準での活動の安定化を示唆する暫定的な兆候がみられる。経済見通しは依然として、高い不透明性および著しい下振れリスクに左右されている。
<新財政協定の早期調印を望む>
この財政協定が3月を待たずに今月末に調印されれば、非常に望ましい。
<物価安定>
ユーロ圏の賃金コストや物価圧力は引き続き緩やかにとどまり、インフレ率は政策展望において、物価安定と一致する見込み。
<物価へのリスクはおおむね均衡>
ECB理事会は、中期的な物価へのリスクはおおむね均衡していると引き続き判断している。
<ギリシャの財政問題への取り組み>
ギリシャは、財政問題への取り組みを再度軌道に乗せる必要がある。構造改革を実現し、財政再建を推し進めることが求められる。
<ギリシャの民間部門関与>
重債務国の金融支援における民間部門の関与(PSI)に関しては、昨年7月21日と10月26─27日の決定の再確認を歓迎する。ギリシャの債務問題は特有で、例外的なものだ。
<ハンガリー情勢を非常に懸念>
ハンガリーについては、非常に懸念していると言わなければならない。意思決定機関に向けられている圧力の兆候をECBは非常に注意している。
このような圧力は、欧州連合(EU)条約の精神に矛盾していると思われる。
<財政政策>
ユーロ圏各国政府は財政の持続性を支えるため最善を尽くす必要がある。これは合意された日程に沿って過剰な財政赤字を是正し、中期的に財政均衡もしくは財政黒字に移行することを通じ行われる。
ぜい弱な国の財政再建に向けた計画実行の遅れは、構造的な財政状況を改善させることによって、迅速に解消されなければならない。
<内需の冷え込み>
ユーロ圏ソブリン債市場で続いている緊張や金融・非金融セクターのバランスシートの調整によって、内需が冷え込む公算が大きい。
<非標準的措置>
12月理事会で発表した全ての措置を実施するため積極的に取り組んでいる。これらの措置は経済への追加支援となる。全ての非標準的な金融政策措置は暫定的なものだ。
<銀行支援継続に向けた流動性供給>
流動性の供給とリファイナンスオペの実施条件は、ユーロ圏の銀行と実体経済への融資を引き続き支援する。
最初の期間3年の流動性供給オペで多額の資金が供給されたことは、ECBの非標準的措置が、銀行の資金調達状況の改善に大きく貢献し、それによって資金調達環境と信頼感が支えらていることを示している。
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