百姓さんのブログ
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はじめまして。百姓です
霊感商法の被害はメディアの責任と取り沙汰されている。これは,オーラの泉の件で指摘されていることである。
そこで,オーラの泉にどのような問題点があり,どうすべきかを述べる。
まず,霊感商法の被害とは,「除霊・祈祷」商法に対価を支払った者が,「被害を受けた」と主張するものである。
最近では,このような被害の総額は100億円とも言われており,1つの社会問題ということもできるだろう。
このような問題が起きている背景には,「霊界と交信できる」といった行為を肯定的に放送し続けたマスコミによる風潮の影響と指摘する意見もある。
私は,これらの主張・意見をもつ人々の中には,「科学的根拠」がなければならないという考え方があるように思われる。
なぜなら,霊感商法の場合,科学的にみて現実に霊界との交信をできるわけがないのに,できるかのように装ったとみない限り,(詐欺による)被害を受けたとは言わないし,
精神的・心理的に安心感を得たいとの目的で霊感商法を受ける者が,実際に安心感を得られれば,当初の目的を達成しているのであり,被害と感じることはないだろうからである。
上述のように,科学的根拠を求める人間からすれば,スピリチュアルなものは全て詐欺にみえてくるだろう。
しかし,本来スピリチュアルとはそういうものではないだろうか。
科学的根拠を求めるならば,手を出すな。と言いたい。にもかかわらず,手を出すのは,認識を誤った被害者の重大な過失というべきである。
しかし,被害者自身が,自己の重大な過失を認めたいわけがない。そこで,非難の目がテレビに向けられる。
テレビの映像と音声による視聴者に対する多大な影響力を理由に,放送倫理を徹底しろと叫ばれる。
ここに,民放連の放送基準を抜粋する。
第7章 宗教
(41)宗教を取り上げる際は,客観的事実を無視したり科学を否定する内容にならないように留意する
第8章 表現上の配慮
(53)迷信は肯定的に取り扱わない
(54)占い,運勢判断およびこれに類するものは,断定したり,無理に信じさせたりするような取扱いはしない(現代人の良識から見て,非科学的な迷信や,これに類する人相,手相,骨相,印相,家相,墓相,風水,運命・運勢鑑定,霊感,霊能等を取り上げる場合は,これを肯定的に取り扱わない)
これをオーラの泉の件についてみると,たしかに,番組内容は,占い,運勢判断ないし,それに類するものといえる。また,カウンセリングも断定的であったり,信じさせたりするものであるといえよう。
とすると,当該番組は,放送基準に違反するものと言わざるを得ない。
しかし,私は,まずこの放送基準に問題があると考える。
なぜなら,宗教・占い等についての上記基準は,すべて科学的根拠の有無を基準としたものであるが,上記のように宗教・占いとは本来的に精神的・心理的なもので,科学的根拠に乏しい,ないし根拠がないものである。とすると,上記基準は,宗教・占いそのものを否定することになるからである。
では,どのような基準であればよいか。
上記基準の趣旨は,テレビ放送の影響力の大きさから,宗教・占いについて視聴者の誤認を招くのを防止することにある。しかし,他方で宗教・占いに対する不当な偏見を防止する必要がある。
そこで,両者の要請を調和的に解決するには,科学的根拠によるものでないことを明示し,精神的・心理的な「慰め」を与えるものであることを断るといった基準にすれば足りる。
そのような観点から,再度オーラの泉についてみると,必ずしも,そのような配慮がされていたとはいえない。
したがって,放送自体を中止する必要はないが,上記配慮に留意した番組内容とすべきである。
今夜は君を・・離さない