福島原発事故への対応に当たるため、3月16日に内閣官房参与に就任した小佐古敏荘(こさこ・としそう)東大大学院教授は29日、菅直人首相宛てに辞表を提出した。小佐古氏は衆院議員会館で記者会見し、政府の原発事故への対応を「場当たり的な対応で事態収束を遅らせている」と批判した。小佐古氏は放射線安全学などが専門で、3月16日に事故の対応に当たるため参与に就任した。
特に緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の運用に関して「計算結果が使用できる環境にありながら、きちんと活用されなかった。データを隠さず開示すべきだ」と主張した。そのうえで「法令に定められている手順通りに運用されておらず、結果も迅速に公表されていない」と抗議した。