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円高傾向は続く、、、日本株に当面ネガテイブ

円高は続く。
なぜなら、世界の景気低迷は長引くから。 世界景気が回復するにせよ、その回復ペースは意図的に緩慢にされるから。 バブルの連鎖を止めるため。

 世界の景気回復が緩慢化する理由その1。欧州発の金融不安がなかなか収束しないこと。

 バブル崩壊のパッチには、金融機関の透明な資産査定と迅速な資金注入が必要ですが、そのどちらも今の欧州には欠けてます。
 欧州は、中途半端なバブル処理を、金融緩和と財政中立(EUトータルで見て)の合わせ技で乗り切るつもりだろうし、これはユーロ安を通じて、ドイツを中心とした欧州景気回復につながりますが、日米中の景気には下押しである(欧州バブル処理のつけ回しがユーロ安を通じて日米中に来る、ということ)。 特に、日銀の相対的な金融緩和不足、および国内の供給超過(=過去の無駄な財政出動による『無駄な供給』の肥大化・固定化)対策の財政出動、による円独歩高傾向と相まって、日本経済には大きなマイナスとなりうる。

 ドイツ等の景気回復により欧州の金融不安が消えるにせよ、その間の円高長期化は、日本企業の業績や株価割安度を悪化させることになるでしょう(今日の割安は明日の割高)。

 世界の景気回復が緩慢化する理由その2。 景気回復と同時に、先進国の中銀、政府は過剰流動性潰しに本腰を入れること。

 景気回復時には、次なるバブルを起こさないための過剰流動性潰しが行われることになる。 すなわち、欧米を中心に早期の利上げ、金融規制改革の強化(流動性の適正化=縮小)が成されると共に、人民元上昇への圧力(中国景気への下押し圧力)が高まる。 世界経済の回復は、半ば強制的に緩やかにされる。

 特に過去10~20年、世界の過剰流動性の根源であった、中国の人民元安固定政策は叩かれることになる。
 非自由経済で独裁国家の中国が、このまま左団扇の特権(人民元の非市場化)を享受することを欧米諸国が許すわけもなく、世界景気回復とともに中国への圧力が強まることでしょう。 中国の高成長が(緩やかな?)バブル崩壊とともに終わる可能性も低くはない、、と思います。
 中国の経済成長が軍事拡大、軍事覇権強化の源泉になっている以上、こうなる確率は低く無し。 非自由経済、独裁国家が強大化する危険性は、かつてのソ連でいやというほど経験済みですから、欧米諸国は(日本も含む)。

 中国のバブル崩壊は、自由経済や民主主義の拡大と、世界的な市場原理の適正化のためには不可避、とも言えます。 人民元安固定により、ここ10~20年、世界経済、わけても先進国経済、とりわけ日本は大いなるネジレ(賃金安、デフレ圧力、資源インフレ、資産バブル)に悩まされてきましたから。

 欧米の(密やかな)中国叩きは、日本にとっては福音ですが、それまでは世界景気の回復の緩慢化=円高傾向の長期化、、という苦い薬を飲むことになるやも知れません(日銀、政府の出方次第?)。  今日の割安は明日の割高。
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