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「ポイント(2685)」より「ユニクロ」?

今回は、華やかな女性ファッション、しかも20代前後(概ねアラサー以下)をターゲットとするアパレル製造販売(SPA)大手のポイント(2685)です。

「ローリーズファーム」「グローバルワーク」を中心に、店舗立地やターゲット層に合わせた12のブランドを持ち、ファッション性を重視するゆえ多ブランドポートフォリオで流行変化のリスクをヘッジしています。

さて、ホルダーもしくはウォッチャーの方には周知の事実でしょうが、同社は今、社長の椅子が空席となっています。

なんでも、過去4年間の高成長を引っ張ってきた前社長と実質創業者である会長との間で将来路線の食い違いが生じ、結果前社長が事実上解任された。。。のだと日経MJ(3/5付)は報じています。

会社によると、長期的戦略に相容れなかった部分があったのは事実のようです。現在は取締役専務執行役員が社長代行を務めており、5月27日の株主総会までには新社長を選任するようです。

なぜこんな問題が生じたのか?おそらく、経営陣は同社がある意味岐路に立たされているという問題意識を強く持っているためだと思われます。

同社がほぼ現在の業態になってから概ね15-16年が経過し、その間市場規模は約3割縮小したそうです。また同社は、少子高齢化の加速もあって今後10-15年でさらに同じぐらい市場縮小が進み、さらにデフレへの対応策強化も急務だと述べています。

後段で述べますが、実際、既存店売上高はここまで3年連続マイナス、今期も減収計画なのです。

経営陣は、おそらくユニクロを念頭においているのでしょうが、今元気な企業は、「原価構成をどう変えるか、ここに優位性を持ったところが急成長している」とも述べています。

同社は同じ製造小売り(SPA)という業態ながら、ユニクロと異なり、製品企画(デザイナー)や製造部門は基本外部委託となっており、原価低減に関与できる領域が小さいため、今後は製造分野への関与を強める方向になるのではないかと思われます。

しかし、ユニクロと違って、常に流行の先端を走るという会社のキャラクターで適正な在庫管理や商品供給、マーチャンダイズといった川下部分のコントロールで成功した同社にとって、川上まで直接コントロールを強化し、しかも実効性を挙げるということはかなり困難が伴うのではないかと思われます。

前置きが長くなりましたが、先日発表された10/2期の決算は前期比13%増収、経常利益は同7%増の171億円で、会社計画162億円を上回ってほぼアナリストコンセンサス(172億円)並を確保しました。ただ、11/2期会社予想経常利益は、アナリストコンセンサス191億円に対し179億円と低く、投資家にとってはかなりがっかりかも知れません。

来期予想が低めなのは、Tポイントカード導入による広告宣伝費増や店舗をリースから取得に変更したことで定額のリース料から定率の減価償却(初期の費用負担が重くなる)に切り替わるなど、いわゆる特殊要因による販管費が10億円以上計上されることが大きく、これらを除けばほぼコンセンサス並みということになります。

ただ気になるのは、前段で述べた通り既存店売上高の減収傾向が続いていることです。

直近5年間のうち、06/2期、07/2期はかなり高めの増収でしたが、それ以降は08/2期-2.2%、09/2期-2.1%、10/2期-2.7%と減収が続いていて、11/2期会社計画も-2.8%と弱気です。

対照的にユニクロのファーストリテイリング(9983)は直近5年間すべて増収をキープしています(05/8期+0.6%、06/8期+0.7%、07/8期+1.4%、08/8期+2.9%、09/8期+11.3%)。

店舗数を比較すると、ユニクロ770店(09/8期末、国内ユニクロ店のみ)に対してポイントは627店(国内のみ)とかなり接近しています。会社は、「ここから先はカニバリゼーション(自社競合)の可能性も考える必要がある」と述べていて、出店増に頼った収益成長に限界が訪れつつあるような印象もあります。

今日の終値5,860円に基づく株価バリュエーションは、今期予想PER14.5倍、同予想ROE8.9%に対して予想PBR3.5倍です。ROE見合いのPBRは少し高めの感もあります。

対してファーストリテーリング(株価16,690円)は今期予想PER25倍、同予想ROE22%に対して予想PBR5.5倍とポイントよりは高いのですが、既存店売上高を維持している実績やグローバルでの知名度の高さなどを考えると、こちらの方が株価的には魅力的な感じがします。
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