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科学フォーラム「21世紀の若者が担うものー科学・教育・大学」

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 2007年ノーベル受賞者を囲むフォーラム「21世紀の創造」の一環、科学フォーラム滋賀「21世紀の若者が担うものー科学・教育・大学」に立命館大学びわこ・くさつキャンパスに行ってきた。

ノーベル受賞者:江崎玲於奈(現横浜薬科大学長)   1973年ノーベル物理学賞
       :トルステン・ウィーゼル(現米ロックフェラー大名誉教授)1981年ノーベル生理学・医学賞       :利根川進(現マサチューセッツ工科大教授)  1987年ノーベル生理学・医学賞
コーディネーター:立命館大学谷口教授



 講演は利根川先生が「脳と記憶」、トルステン・ウィーゼル先生が「科学の創造と教育」、江崎先生が「サイエンスの心」を話された。最高の頭脳が学生や一般人にも理解できる言葉で興味深いことを話された。

 これらの詳しいレポートは10月24日の読売新聞に掲載されるそうなので、翔年は感じたことをかいつまんで記録しておこう。

 
 利根川先生の次々と新しい分野の研究に突き進まれる姿勢と、衰えを知らない活力には大変感銘を受けた。特に若い人たちに向かって
1 自分の世界の他に大きな世界があることを知れ 
2 自分の意見をハッキリいう
3 批判する
4 ディスカッションする
5 学業成績以外にリーダーシップやリスクテーキングの精神が大事
などを強調された。

 ウィーゼル先生の主旨は 
1 教育は環境である。教師は物事をどう考えるか、その考え方を導いてくれる。問題点を見つけ、解決策を考えるのは自分である。
2 現在、生物学は生命科学に収斂してきているので、専門知識を持ったメンバーが集まってチームで研究する時代になったということだった。
 ちなみに、先生は中曽根首相(当時)の提唱で始まった国際ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム(HFSP)の事務局長だという。


 江崎先生の有名は逸話。
1 小さな会社の若造がトンネルダイオード(江崎ダイオード)を雑誌に発表しても、日本では誰も相手にしてくれなかった。たまたまベルギーで万博があり、同国の個体物理学会で発表する機会があり、ショックレー博士が「素晴らしい」と評価してくれた。そうしたら、日本でも認められた。(この類いの話はいくらでもある)
 
2 ソニーの給料が3万円、アメリカのIBMに移ったら、18倍の54万円の給料に跳ね上がったという。江崎先生はお金のことまでズバリおっしゃるから偉い。自由に研究をやらせてくれて、この給料なら、誰だって実力のある人は誰だってアメリカに行く。(日本ではいまだに格差はいかんとか、どうたらこーたら言う人が多い。)

3 日本では評価したがらない。正当な評価がなされない。アメリカと言う国はそこのところは、かなり出来ていると言われた。だから優秀な人材がアメリカに集まる。



特筆事項:
フォーラムが始まる前の数十分、BGMはアンドレ・ギャニオンの曲が流されていた。この環境音楽はフォーラムの雰囲気を静かに醸成するのに効果があった。始まる前から会場は静かで、知の講演会に相応しかった。
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