木下 晃伸さんのブログ
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【投資脳のつくり方】資源価格はこれからさらに上昇していく
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●【本日のニュース】/中国、石油備蓄2.6倍に
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中国政府は国家戦略石油備蓄量を5年後をメドに現在の2.6倍の2億7000万バレルに増やす。浙江省などにある第11期備蓄基地の原油充てんがほぼ完了し、年内にも第2期の備蓄基地の建設に着手する。投資額は300億元(約4200億円)規模。国家エネルギー局幹部が明らかにした。
世界2位の石油消費国である中国の備蓄動向は世界の石油市場に一定の影響を及ぼしそうだ。
(2009/06/29日経速報ニュースより一部抜粋)
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【ニュースの深層】資源価格はこれからさらに上昇していく
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。
経済アナリスト、木下晃伸です。
■日本の資源株は軟調な展開となっています。
米ダウ・ジョーンズ通信が「中国国家発展改革委員会(NDRC)の高官が国家備蓄向けの銅やアルミなどの買い付けを停止することを明らかにした」との中国誌の報道を伝えたことがきっかけです。
その結果、住友金属鉱山や三菱マテリアル、新日鉱ホールディングスなど資源株の一角が売られる結果となりました。
■しかし、その動きは私は長く続かないと考えています。むしろ、これから本格的な上昇を期待すべきだと考えています。
29日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は大幅反発。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で、期近の8月物は前週末比2.33ドル高の1バレル71.49ドルで取引を終えています。
22日には66.93ドルまで下落していたことから考えれば、短期間で10%もの上昇を果たしたことになります。
■さらに、資源価格を大きく押し上げる動きが中国から出ています。具体的には備蓄量の増大。
中国は既に米国に次ぐ世界2位の石油消費大国となっており、2008年で世界消費量の約10%を占めています。
一方で、中国の国家備蓄量は、第1期基地の充てん完了時点で約1640万キロリットルと原油輸入量の20日分程度。
これに対し日本は09年4月末の段階で、国の直轄事業である国家備蓄(103日分)と、石油備蓄法に基づき民間石油会社などに義務づけている民間備蓄(81日分)を合わせると184日分(8608万キロリットル)。
ここまでとはいかないまでも、先進国並みの90日分程度にまで高める方針なのです。
石油を輸入に頼る中国の石油輸入量が増大し始めたのは2003年。その後、資源価格が大幅に上昇したことは鮮明に覚えていることでしょう。
異常事態の超低金利によるリスクマネーが、ファンダメンタルズの良好ぶりに着目し、資源に流れ込む可能性はいつでもある、と考えておくべきでしょう。
(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)
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