少し前の新聞で上海万博についての記事がありました。北京五輪は頭のスミにあるのですが、万博はすっかり忘れていました。本来、万博開催だと多少は良い情報が漏れ聞こえると思うのですが、大気汚染、食の問題やら何かとマイナスイメージの話題ばかりでうんざり?ってな感じですかね?
●最大規模 上海万博 「過度な商業主義」懸念
2010年5月から10月末まで上海で国際博覧会が開かれる。過去の万博と比べても最大規模で、05年の愛・地球博(愛知万博)の実に3倍強に相当する7000万人の入場者を見込む。主テーマは「より良い都市、より良い生活」。都市問題の解決策を多様な角度から具体的に提示する万博となりそうだ。
会場となる黄浦江の両岸では、万博史上例がない18000世帯の住民が立ち退かされた。補償額への不満や住み慣れた環境を離れることに、少なくない市民が反発したが、最後は公権力で、強制的に排除した。「より良い生活」を世界に示すために、数万人もの庶民が有無を言わせず郊外へと追いやられたのは、何とも皮肉な話だ。
国内外から企業の参加を募るが、出だしは悪く、海外企業はゼネラル・モーターズ(GM)とシーメンスのみだ。企業の負担は最大で100億円超ともされ、こうした費用対効果について十分な説明が無いのも上海万博の特徴。各社、二の足を踏んでいるのが実態だ。
最大の目玉にも浮上しそうな「ベストシティー実践区」は、
模範となる世界30都市を選び、都市問題の解決法を展示してもらう計画。これも展示費用は各都市側の負担と想定されるが、具体的な説明なし。当初は8月末までの公募だったが、おそらく不人気のため、来年初めまでに延期した。
総じて言えるのは、2年前、博覧会国際事務局(BIE)の執行委員たちが批判した「過度な商業主義」がいまだ色濃く残る。さらに、この国の急激な経済成長を背景に、各国の都市や企業は黙っていても参加するだろうという姿勢が随所にかいま見える。曲折を経て最後は、高い評価を得た愛・地球博に学ぶべき点は多いはずだが...。
(上海・豊田雄二郎)
9月27日付中日新聞朝刊より
なんとか、ぜひ、いってみたいと皆が思えるような万博を開催してほしいと願いたいものです。