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●【本日のニュース】/米GM、労務費削減で合意へ
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米紙ウォールストリート・ジャーナルは15日、米ゼネラル・モーターズ(GM)が来週にも、全米自動車労組(UAW)と年10億ドル(約950億円)以上の労務費削減などで合意する見通しと報じた。GMは同日、自動車ディーラーの削減計画を発表した。
ウォール紙によると、GMとUAWの合意には、日本企業に比べ割高な労働コストの圧縮や、退職者の医療保険基金への拠出義務(約200億ドル)の半分以上を株式で支払う内容が盛り込まれるもよう。来週にも基本合意し、組合員による投票を経て最終承認する。
6月1日に期限を迎えるGM再建の焦点は債務削減に絞られてきた。同社は270億ドルの無担保債務の株式化を債権者に要求。金額ベースで債権者の9割が応じることが債務削減成立の条件で、GMは成立しなければ破産法を申請するとしている。
(2009/05/16日本経済新聞朝刊7面より一部抜粋)
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【ニュースの深層】UAWとの交渉進展は、株高の号砲か
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。
経済アナリスト、木下晃伸です。
■米ウォールストリート・ジャーナル紙によれば、GMが懸念のひとつであったUAWに対する医療年金の拠出金を株式で支払うことで合意に持ち込んだようです。
これは大変大きな動き。
かつて、2月末に同じく破綻がささやかれていた米ビッグスリーの一角フォードが同様のニュースを発表した時、私は“いよいよ投資姿勢を強気に転換させなければならないか”と考えたほどです。
実際、プレミアムメールマガジン「木下晃伸をファンドマネジャーに雇いませんか?(ゴールドリポート)」では、フォードの発表を受け、モデルポートフォリオを強気に転換、積極的に構成銘柄の変更を行った経緯があります。
(↓)「木下晃伸をファンドマネジャーに雇いませんか?」とは
http://premium.mag2.com/lineup/P0006893/
3月中旬からの全世界的な株価上昇を受け、当時新規にポートフォリオに組み入れた銘柄は大きなリターンを獲得しました。
それだけ、株式投資においては、タイミングも重要な投資判断のひとつと言える証拠でしょう。
■それと同様のインパクトがあるニュースが報道されたわけです。
では、GM株はどうか?芳しい反応とは言えない、という状況だった、というのが正直なところです。
※General Motors Corporation (Public, NYSE:GM)
http://www.google.com/finance?q=GM
■それもそのはず。たしかに、GMは破綻回避に向けて動き出しているように見えますが、一方で、債権者との交渉が暗礁に乗り上げてしまっていることを考えれば、“焼け石に水”とも言えるからです。
つまり、まだまだ株式市場は、“GMは破綻する”と考えている、と言えるでしょう。
実際、株価が3.5倍に上昇したフォードも同様でした。
2月末にUAWとの交渉がまとまったというニュースがあっても、すぐに株価が反応したわけではなかったのです。
しかし、その後、破綻懸念が遠のいていくにしたがい、株価が大きく上昇していったのです。
※Ford Motor Company (Public, NYSE:F)
http://www.google.com/finance?q=F
■チャプター11申請が濃厚となっているGM。それがコンセンサスになっていることは疑いようのないことでしょう。
しかし、事実は小説より奇なり、とはよく言ったもの。
今回のGMがUAWとの交渉をまとめあげた、ということは、私には、政府当局からの“GMは破綻させない”メッセージを出しているように見えるのです。
破綻しないかどうか、鍵を握るのは債権者との交渉。
債権者側は債務削減の見返りにGM株の58%を取得する対抗案を提示していますが、ヘンダーソンCEOはこれに応じない姿勢をにじませています。
そして、実現しない場合には、チャプター11申請を行う、ということを明言しているのです。
予断を許さない展開ではありますが、GMの交渉次第によっては、3月に続く株価暴騰の可能性がより早く大きく高まってくると言えるでしょう。
(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)
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