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米金利利下げ決定でも「意外」の円安ドル高の理由は・・・

昨日の米国株式相場は小幅下落した(DJIA -103.08 @41,503.10, NASDAQ -54.76 @17,573.30, S&P500 -16.32 @5,618.26)。ドル円為替レートは142円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,340に対して、下落銘柄数は257となった。騰落レシオは112.77%。東証プライムの売買代金は4兆594億円。

TOPIX +52 @2,617
日経平均 +775円 @37,155円

米国では、米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の大幅利下げが決定された。政策金利であるFF金利を従来の5.25~5.50%から4.75~5.00%へ引き下げた。これを受けて、米10年債利回りは前日の3.642%から一時3.634%まで低下した。しかし、バルエルFRB議長が会見で利下げを急がない姿勢(今後の利下げペースは穏やか)を示したことで切り返し、結局3.731%に上昇して終えた。つまり、0.50%という大幅利下げにもかかわらず、米長期金利は逆に上昇した。これにより円安ドル高となった。FOMCメンバーのFF金利見通しは年内にさらに0.50%の追加利下げの可能性を示した。パウエルFRB議長は今回の利下げは「予防的な措置」であり、米経済は良い状態であるという楽観的な認識を示した。

本日9月19日の東京市場では、FOMCを通過し、円相場が円安・ドル高となったことをきっかけとして輸出関連銘柄を中心に買われた。マーケットの期待通り、米利下げが始まったことで米経済は景気後退に陥ることなく、ソフトランディングするとの期待が高まり、日経平均の上げ幅は一時1,000円を超えた。足元では円高ドル安基調を主な理由として売り込まれてきた三越伊勢丹や高島屋など百貨店株が買い戻された。ただ、この先も中期的に日米金利差縮小がほぼ確実な状況では、一時的に円安方向に振れても基調は円高方向に動くのが道理である。本日は意外高となった主な原動力は、米金利利下げによる円高ドル安と日本株安を見越して大きく売り長ポジションへ傾斜していた短期筋が買い戻したことである。米景気が後退しないなら、米利下げ局面の第一段階の利下げは日本株の大底になり易い(1995年、1998年、1999年)という経験則が意識された。

日銀は19~20日に金融政策決定会合を開催している。円相場は7月に付けた1ドル=161円台を起点として考えるとかなり円高方向に動いてきたことを考えると、今回は追加利下げはしないと見ている。しかし、もし追加利上げを実施するなら、ほぼ確実に円高ドル安と株安が同時に進むはずだ。

日経平均の日足チャートを見ると、大きくギャップアップして始まり、さらに上げて陽線で終えた。一時1,000円以上高くなり、上向きの25日移動平均線にもう少しで届きそうになった。9月5日に25日移動平均線を割り込んでからその下で団子状になっていきたが、その団子の上限を上抜けた。明日以降、上向きの25日移動平均線を回復できるかどうかに注目している。

33業種中すべての業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、保険(2位)、輸送用機器(3位)、非鉄金属(4位)、サービス(5位)となった。

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