日銀の追加利上げ・円高を懸念して・・・

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2024/09/11 - 優利加さんの株式ブログ。タイトル:「日銀の追加利上げ・円高を懸念して・・・」 本文:昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -92.63 @40,736.96, NASDAQ +141.28 @17,025.88, S P500 24.47

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日銀の追加利上げ・円高を懸念して・・・

優利加さん
優利加さん
昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -92.63 @40,736.96, NASDAQ +141.28 @17,025.88, S&P500 24.47 @5,495.52)。ドル円為替レートは141円台前半の前日比円高ドル安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が105に対して、下落銘柄数は1,523となった。騰落レシオは113.24%。東証プライムの売買代金は4兆1993億円。

TOPIX -46 @2,531
日経平均 -539円 @35,620円

米国では、9月17~18日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げがほぼ確実に決定されるとマーケットは織り込み済みであるが、問題はその利下げ幅(0.25% or 0.50%)である。その利下げ幅の手がかりとなりそうなものが、今週発表される8月消費者物価指数(CPI)と8月卸売物価指数(
PPI)である。現在にマーケットの主流は0.25%の利下げである。

本日9月11日の東京市場では、1ドル=140円台まで円高・ドル安が進行したことを嫌気して輸出関連銘柄を中心に売られた。また、米大統領選挙候補者テレビ討論で、民主党のハリス氏が共和党のトランプ氏(法人税の引き下げを公約している)よりも優勢との見方が広がると、海外投機筋が売りで反応した。日経平均の下げ幅は一時900円を超えた。今日の円高ドル安進行の主な原因の一つは、本日11日に日銀の中川順子審議員が、経済・物価見通しが実現していくようなら金融緩和の度合いを調整して行くことになると述べ、日銀の追加利上げを示唆したものと受け止められたことである。

円高ドル安基調は当分の間は続くだろう。なぜなら米連邦準備制度理事会(FRB)は今月にも利下げを開始し始めるのに対して、日銀はこれから徐々に利上げを実施するため金融政策の周期がほぼ180度ずれているからだ。これから日米金利差は縮小していくのがほぼ確実なので、短期的な綾戻しは何度もあるはずだが、ベクトルの方向としは円高ドル安が進むと見ておく。では株価はどうなるか。内需株は円高ドル安の恩恵を受けるが、反対に外需株には逆風となるため、日経平均で測る日本株全般は向こう半年から1年先くらいまで下に大きく振れ易くなり、それでも安くなると押し目買い入ることにより反発するが、1/3戻しから1/2戻しくらいで反発は止まり、そこからまた下げるというイメージが今現在は描ける。ではそれがいつまで続くか。それは米利下げが完了するか、日銀の利上げが完了するまでだろう。

原油価格の下げが続いている。米原油指標であるWTI先物価格の期近物はは9月10日に一時1バレル=65.27ドルまで下げ、2023年5月以来の安値となった。主な原因は米中での需要の伸びが鈍化している(景気減速懸念と表裏一体)からである。原油安効果もあり、10年物のブレーク・イーブン・インフレ率(BEI=国債と物価連動債の利回り格差)は10日は2.0%に迫った。もう少しで2020年12月以来の1%台となり実質インフレ利が低下しているので、米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げをしやすくなった。その結果、米長期金利は2023年6月以来の低い水準となった。これは日銀にはどういう力学が働くだろうか。原油安と円高は日本の輸入インフレを抑える。ということはインフレ抑制という大義名分が薄れてしまい、日銀の利上げを抑制する力となって作用することで日銀が利上げし難くなる。だから何?マーケットが警戒しているほど速くは円高・ドル安は進まない可能性が高い。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日に続き下ひげを引いた陰線で大きく下げた。下ひげの安値が9月9日安値@35,247円にほぼ並ぶ35,253円となった。円高ドル安基調は依然として明確且つ理由もあるので、外需銘柄を中心に売られて日経平均の下振れは暫くの間大きくなると見る。東証が11日に発表した6日時点で裁定買い残が前週比減少したことも相場の弱さを裏付けている。株価が力強く上昇する過程では先物が主導して上昇するため、先物は理論値に比べて割高になる。そのため機関投資家は割高な先物を売り、割安な現物を買う裁定取引を行うことで薄利だが、SQまで待つだけでリスクなしで利益を確定することができる。逆に、株価が下げる過程ではこの「買い裁定取引」は起こらない。むしろ逆のことが起こる。割安となった先物を買い戻し現物を売る「裁定解消売り」が出てくるが、こうすることにより限月(先物の期日)のSQまで待たずに裁定取引による利益を確定することができるからである。

33業種中すべての業種が下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位:原油安のため)、石油・石炭(2位:原油安のため)、不動産(3位:日銀の利上げ懸念のため)、輸送用機器(4位:円高・ドル安進行のため)、水産・農林(5位)となった。

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