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株価サイクル③の条件を完全には満たしていないが・・・

昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +243.63 @41,335.05, NASDAQ -39.60 @17,516.43, S&P500 -0.22 @5,591.96)。ドル円為替レートは144円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,107に対して、下落銘柄数は474となった。騰落レシオは127.22%。東証プライムの売買代金は5兆1924億円。

TOPIX +20 @2,713
日経平均 +285円 @38,648円

米国では、新規失業保険申請件数(23.1万件<予想23.2万件)と4~6月期GDP改定値(2.8%から3.0%へ)が強い結果となり、景気後退懸念がさらに和らぎ、景気敏感株が上げた。ダウ工業株30種平均は史上最高値を更新した。前日引け後に4~7月期決算発表したエヌビディアは6%超下落した。決算結果は売上も利益、8~10月期見通しともに全てアナリスト予想を上回ったが、株価は年初から150%以上上げていたことでこれらすべてを既に織り込み済みだった。投資家は売る口実を探していたかのように、粗利益率の低下が玉に瑕となり売られた。

株価Pの決定要因は業績見通しである予想EPSが最重要であるが、それだけでは決まらない。予想PERとの掛け算で決まるため、予想PERの変化も重要である。予想PERの本質は「期待」である。今回はその期待が業績見通しの向上を打ち消すほど萎んだため、株価Pは下げた。これが株価の原理原則である。それでも、不安材料だったエヌビディアの決算発表を通過した。

本日8月30日の東京市場では、ダウ工業株30種平均が史上最高値を更新したことを好感して買い優勢となり、東京エレクトロンやアドバンテストなどの値がさ半導体銘柄も買われた。日経平均の上げ幅は一時300円を超えた。米MSCIの株価指数「グローバルスタンダード指数」の構成銘柄入れ替えのため、大引けで指数に連動する運用を目指す投資家による持ち高調整が行われ、売買高が膨らんだ。東証プライムでは終わりのわずか1分で2兆円超の売買が成約した。日本時間の今晩、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げ判断の際に重視する米個人消費支出(PCE)物価指数が発表される。さらに、来週には8月の米雇用統計も発表される上に本日8月30日は週末であるだけでなく月末でもある。積極的には売買しにくい雰囲気だった。

国内債券市場では、新発10年物国債利回りが上昇して、一時、前日比0.02%上げて0.905%となった。この水準は8月7日以来約3週間ぶりの高さである。米長期金利の上昇に引っ張られた形である。日銀の利上げ路線は迷いがないようだから、徐々に上昇基調を描きて行くだろう。2025年に入るころは10年債利回りは1.2%くらいまで上昇するか?So what? もし、そうなれば、どの銘柄が上がり、どの銘柄が下がるかを今の内から選別しておく必要がある。このような連想ゲームに強くなると銘柄選択が上手になる。

日経平均の日足チャートを見ると、8月16日から続いている横這い(=保ち合い)レンジの上限を上に抜けて来た。25日移動平均線の傾きがやや上に転じ、ほぼ横ばいの60日移動平均線に接するまで上げて来た。もし、来週月曜日にさらに終値ベースで上に行くと、10日、25日、60日移動平均線の上に浮上し、且つ各移動平均線の傾きが上向きになる。まだ株価サイクル③(各移動平均線が上向きで10日>25日>60日の順)の条件を完全には満たさないが、それでも安定してくる。

33業種中25業種が上げた。上昇率トップ5は、非鉄金属(1位)、海運(2位)、卸売(3位)、サービス(4位)、電気・ガス(5位)となった。

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