これも、3,4歳の頃だ。新宅のおばさんが、村の婦人会の集まりで、小学校でカレーを作ったといって、それを、新宅の玄関付近で食べた。
アルミの弁当箱に、残りを持ってきたのだ。黄色の色で、大根と、人参と、じゃがいも、玉ねぎを入れたものだ。
うどん粉をこねて、その中に、缶入りの、粉の「エスビーカレー粉を」入れたものだ。当時の事で肉は無い。この頃は、肉は日常食べたことが無い。村中、誰も、肉を食べなかった時代である。
スプーンで、一口だけ、カレーを食べてみた。変な味だと思った。これが、初めて、カレーを食べた、思い出である。
そして、前の家から、「ラジオ」から「黒百合の花」の歌が、聞こえてきた。この曲は、家でも聞いていた。そして、この歌は、その後、何度も聞いた。
また、この頃は、ベートーベンの「運命」もよく聞いた。戦争で、打ちのめされた日本人に、合っていたのかもしれない、この「運命」は、その後、数年間、ラジオから、時々流れた。
そして今は、この「運命」を聞くことは、ほとんど、無くなって、しまった。
時が流れたことを感じる。もう、戦争は過去の事か。しかし、私には、残っている。