2. 財務状況と経営指標
2024年9月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比626百万円増加の29,260百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では現金及び預金が51百万円減少し、前払費用が62百万円増加した。また、固定資産では有形固定資産が241百万円減少し、無形固定資産が51百万円、投資有価証券が601百万円増加した。有形固定資産は2020年9月期末の16,989百万円をピークに緩やかな減少傾向が続いている。以前は、立地の良い土地が出れば、取得して自社物件を建築するケースもあったため、設備投資額も大きくなっていたが、ここ数年の注力エリアである横浜・川崎市内は土地価格等が高く賃貸物件で展開しており、設備投資額が減価償却費の範囲内で推移していることが要因だ。
負債合計は前期末比325百万円増加の3,023百万円となった。有利子負債が4百万円減少した一方で、未払法人税等が320百万円増加した。純資産は同300百万円増加の26,236百万円となった。配当金支出1,382百万円と自己株式取得1,000百万円(減少要因)があったものの、当期純利益2,508百万円の計上が増加要因となった。
経営指標を見ると、自己資本比率は89.7%と引き続き高水準で推移し、有利子負債比率も0.9%と実質無借金経営であり、ネットキャッシュ(現金及び預金−有利子負債)も9,433百万円と潤沢にあることから、財務内容は良好と判断される。配当金支出や自社株取得を実施したことにより、ネットキャッシュは前期末比で46百万円減少したものの、今後も横浜・川崎エリアを中心に校舎展開していくため設備投資額は少なくて済む可能性が高く、積み上がったキャッシュについては人的資本への投資と教育環境の整備、株主還元の強化に引き続き振り向ける方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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