「注目すべきは時代の要請に応え得る企業!」
◆投資には好環境のトランプ相場が続く
2020年。まず考えなければならないことは、19年9月から始まった米中貿易摩擦の緩和期待相場が、いつまで続くかになる。
両国はまだ完全合意には達していないが、第1段階の部分合意ではひとまず折り合い、目下、合意文書を作成中だ。そして年明け、早ければ1月中にも両首脳の直接会談による調印がありそうだ。
これは、もちろん株価の支援材料となる。年末まで続いた4ヵ月に及ぶ上昇相場は、なお継続するとみてよい。通常なら調印によりその後は好材料出尽くしを理由に、株価は下げてしまう恐れがある。しかし、今回はそうはなりそうにない。
なにしろ、米国の大統領はトランプ氏なのだ。改めて書くまでもなく、この大統領は異例中の異例の人物だ。単にディールの天才というのみならず、軍事や経済、株式市場についても各分野の専門家以上に詳しく、しかも常に戦略的に臨む。
そのため、対中政策には抜かりはなく、20年も中国を非難したりなだめたり、あの手この手で自国に有利になるよう揺さぶり続けるとみるのが自然だ。中国にとっては腹立たしい限りだろうが、株式投資をしている個人投資家にとっては非常に好ましく、少なくとも4月までは好環境の継続が想定される。
もちろん、懸念材料はある。米国市場が上がり過ぎることによる急反落だ。それは必ずあるわけではないが、NYダウ、NASAQ、S&P500の主要3大指数が揃って史上最高値を更新し続けられる状況がいつまでも続くことはまず考えられない。
この点、警戒を怠れないものの、20年も基本的にはトランプ相場が続くことになり、投資家にとっては資金も増やしやすいと言える。
◆利益増に貪欲であることが選別の条件
もちろん、全部の銘柄が上がるわけではない。有望度が高いのはやはりオーソドックスな経営を続けている企業よりも、利益増のために貪欲ともいえるほどに、あれこれ積極的な手を打つ企業になる。
それは中小型企業に限らず、時代の要請への即応力の高さを持つ企業が市場に好感されることになる。となると、すぐに「5Gだろう」となるのだが、もちろんそれもあるが、時代が求めるゾーンは意外と幅広い。高齢化社会関連、災害対策関連、ヘルスケア関連、インバウンド関連、5G関連、半導体関連など多彩だ。
具体的には、高齢化やヘルスケアでは世界首位の製薬会社ロシュの傘下にある中外製薬 <4519> になる。高値圏ながらなお続伸力ありとみている。
同じ観点からは医薬品紹介サイト運営のエムスリー <2413> も高値を承知のうえで続伸力に期待だ。
インバウンドでは日本空港ビルデング <9706> と寿スピリッツ <2222> になる。
5G関連株ではアナログ高周波製品に強い多摩川ホールディングス <6838> [JQ]がある。
半導体ではイメージセンサー首位のソニー <6758> を忘れてはなるまい。
以上のような銘柄を含め、他にも有望株が多数あるので、その一部も加えて以下に10銘柄をご紹介する。参考にしてもらえれば幸いです。
●北浜氏のお薦め「2020年ポートフォリオ10銘柄」
中外製薬 <4519>
エムスリー <2413>
日本空港ビルデング <9706>
寿スピリッツ <2222>
多摩川ホールディングス <6838> [JQ]
ソニー <6758>
マニー <7730>
バルニバービ <3418> [東証M]
サイバー・バズ <7069> [東証M]
技研製作所 <6289>
2019年12月27日 記
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