2007年の後半、海運株は活気に満ちていました。現在株価は約75％ダウンの540円前後で右往左往しています。

　長期的視点で考えれば、2010年3月からの業績の改善が見られた昨今、ここから先の安値は買い場と考えられます。

　年間収益で為替1円の円高は、最大３億円の減益。１トン当たり原油1ドルの上昇は最大0.5億円の減益(為替・原油共商船三井HP参照）となり、短期的な視点で考えれば現在の市場状況はリビア問題等を含めても厳しいものが認められます。しかし、これからのアジア新興国における資源需要が活気づけば将来的に海運株は有望と考えられます。また、次世代エネルギーを使った新型船の就航を約5年後を目安に予定しており、コスト軽減を計れれば更なる利益率の上昇が認められます。

　海運大手３社（郵船・川崎汽船・商船三井）で比較すれば、商船三井は今後の長期金利上昇を考えてもギアリングレシオ（有利子負債／自己資本）は約1.2倍と大手3社中で最も好財務内容であり、総合的な利益率も他の2社と比べて群を抜いています。

　2008年からの相対チャート（海運株が絶好調だった頃）から大手3社を比較しても、商船三井は株価の最悪水準からの反発力が最も高く、銘柄的な妙味が投資家全体に認知されていると言えます。

　テクニカル的には、2008年10月の安値（357円）から2009年６月の高値（736円）の横ばいで停滞しています。今後更なる世界景気の減速感から更なる安値更新が認められる可能性も否定は出来ないですが、海運会社無くして世界経済が成り立たない以上、長期的な視点に立った投資行動が将来的に実を結ぶ事は参入障壁の高さから考えても否定は出来ないと思います。

　また商船三井は2011 Global 100 世界で最も持続可能な100社に32位で入賞しました。Global 100 の良し悪しは別として海外から高評価されているのは好感できます。

　使い勝手はあまり良くないですが、株主優待（｢にっぽん丸クルーズ｣優待券（10%割引））があります。電車や飛行機、車の旅行に飽きたら好きな本を持って船の旅行も一度は良いですね。