1. 2019年3月期の業績見通し
2019年3月期通期の業績は売上高284,800百万円(前期比2.9%増)、営業利益10,000百万円(同9.6%減)、経常利益10,300百万円(同10.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益6,100百万円(同13.4%減)と増収減益が予想されているが、これは期初予想と変わっていない。減益となる理由は、後述する2030年に目指す姿に向けたビジョン達成のために、現在進行している2019年3月期〜2021年3月期を対象とした中期経営計画を基盤づくりの期間と位置付けているためである。
2. セグメント別及び分野別見通し
複合ソリューション事業の売上高は198,597百万円(前期比3.3%増)、セグメント利益は13,276百万円(同4.6%減)と増収減益を予想している。新規連結子会社の寄与はあるが、人材採用や教育費用増、自然災害の影響等により減益を見込んでいる。
国内物流事業の売上高は49,396百万円(同0.8%増)、セグメント利益は2,023百万円(同17.4%増)が予想されている。物流、定温関連での新規顧客獲得等による取扱量増加を見込み、倉庫賃借料削減により増収増益を見込んでいる。
国際物流事業の売上高は36,805百万円(同3.7%増)、セグメント利益は956百万円(同11.0%減)が予想されている。子会社での輸送取扱量増加が見込まれる一方、比較的収益率が高い機械設備取扱量減少により増収減益の見込み。
分野別売上高では、鉄鋼関連は生産工程付帯業務、自動車エンジン用部品生産業務増加等により売上高は47,767百万円(同2.6%増)を見込んでいる。2019年3月期より鉄鋼関連から新たに切り分けられた環境・エンジニアリング関連は、新規連結子会社の寄与があるが、子会社での再資源化処理業務減少により売上高は16,603百万円(同4.2%減)が予想されている。食品関連(食品)は、新倉庫稼動による取扱量拡大により売上高は33,058百万円(同2.6%増)と増収が見込まれている。また食品関連から新たに切り分けられた食品プロダクツ関連は、飲料製造請負業務の深耕化、配送業務の好調維持により、売上高は41,433百万円(同1.9%増)の見込み。
メディカル関連は、病院事業の新規顧客獲得等により売上高は18,635百万円(同3.3%増)と増収見込み。空港関連は新規連結子会社の通年寄与および新規受託空港での業務開始等により売上高は23,185百万円(同13.2%増)が見込まれている。生活関連(生活)は、子会社売却の影響はあるものの、入出庫保管・配送取扱業務の増加により増収見込み。海外関連は、子会社での輸送取扱業増加やODAに伴う橋梁案件の獲得等により売上高は36,805百万円(同3.7%増)が予想されている。
3. 設備投資計画
2019年3月期の設備投資額は、12,900百万円(前期比5,920百万円増、84.9%増)と大幅増を計画している。主な大型案件は岡山真庭配送センターの新倉庫建設(土地4,493坪、倉庫面積3,074坪、投資金額1,300百万円、2019年3月竣工予定)。設備投資の増加に伴い、減価償却費も8,600百万円(同1,179百万円増)と増加する見込みだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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