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2021/06/08 - INV(8963) の関連ニュース。―海外投資家など買い出動、経済正常化を視野に再評価余地が膨らむ― 東京市場は、米国のインフレ懸念の台頭もあり上値の重い展開が続く。そんななか、市場の注目を集めているのが、日本の不動産投資信託「J-REIT」だ。高利回りでミドルリスク・ミドルリターンが狙えることから高い人気を誇るが、昨年春の新型コロナウイルスの感染拡大の影響で投資口価格(株価に相当)が暴落するなど、大きな打撃を被った。しかし、足もとで市場は回復基調を強め、暴落前の高値奪回に迫っている。復活機運が高まるJ-REITの動向を探った。●東証REIT指数は昨年末から2割上昇 東証REIT指数

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復活機運高まる「J-REIT」、コロナ暴落の全値戻し達成近づく <株探トップ特集>

配信元:株探
投稿:2021/06/08 19:30

―海外投資家など買い出動、経済正常化を視野に再評価余地が膨らむ―

 東京市場は、米国のインフレ懸念の台頭もあり上値の重い展開が続く。そんななか、市場の注目を集めているのが、日本の不動産投資信託「J-REIT」だ。高利回りでミドルリスク・ミドルリターンが狙えることから高い人気を誇るが、昨年春の新型コロナウイルスの感染拡大の影響で投資口価格(株価に相当)が暴落するなど、大きな打撃を被った。しかし、足もとで市場は回復基調を強め、暴落前の高値奪回に迫っている。復活機運が高まるJ-REITの動向を探った。

●東証REIT指数は昨年末から2割上昇

 東証REIT指数が上昇基調を強めている。8日は一時、2148まで上昇し年初来高値を更新した。昨年末からの上昇率は約20%に達しており、日経平均株価の6%前後の上昇率を大きく上回っている。

 不動産投資信託のREITは、新型コロナ感染拡大の影響を最も大きく受けたアセット(資産)のひとつと言える。新型コロナの影響でテレワークが普及し都心のオフィスから人が消えた。また、訪日外国人(インバウンド)需要が蒸発したことでホテルも閑古鳥が鳴く状況となった。このため、オフィスビルやホテルに投資するREITの投資口価格は急落。特に昨年2月には2255の水準にあった東証REIT指数は、翌3月には一時1138と半値に暴落した。

 その後、株式市場は世界的な金融緩和の追い風もあり暴落前の高値を奪回し一段高に上昇したが、REIT市場の戻りは鈍かった。しかし、そのREITは今年に入り回復基調を強め、コロナ暴落前の高値更新まであと一歩の水準まで値を戻している。

●米国ではオフィス回帰の動きも胎動しREITの追い風に

 このREIT復活の大きな要因として指摘されているのが、新型コロナワクチン接種拡大に伴う経済活動再開に向けた動きだ。実際、ワクチン接種に伴いいち早く経済活動再開に動きだした米国のREIT指数は、昨年2月高値を奪回し全値戻しを達成している。金融大手のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなどは、オフィス業務を再開する動きが伝えられている。また、米国の大手クルーズ船会社に運航を再開する動きもでるなど旅行需要にも復活機運が漂い始めた。

 そんななか、日本のJ-REITには海外投資家の買いが流入している。東証が発表する投資部門別売買状況によると、海外投資家はコロナ暴落後の昨年4~7月は売り越したものの、その後は下値を拾う動きとなり今年2月からは3ヵ月連続で買い越している。東証に上場する約60銘柄のREITの平均分配金利回りは約3.4%の水準と高いことが魅力で、国内の地銀などの買いも再び活発化している様子だ。

●IPO再開や敵対的TOBの登場も市場正常化のサイン

 足もとでは、日本のREIT市場が正常化モードに入った複数のサインが点灯している。まず、今月22日には東海道リート投資法人 <2989> [東証R]が新規上場を果たす。J-REITのIPOは2019年12月以来、1年半ぶりのことだ。更に、米投資ファンドのスターウッド・キャピタル・グループは、インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人 <3298> [東証R]に対して今年4月に事前の合意のないTOB(株式公開買い付け)を発表した。結局、「敵対的」TOBとなり、いまも攻防が繰り広げられている。米ファンドによる敵対的TOBは、日本のREITの割安さに注目したものとも言われている。

 世界的にインフレ圧力が強まっていることも、不動産価格や賃料の上昇につながりやすいため、REITにとっての追い風との見方もある。特に、日本は日銀の超低金利政策に当面変更はないとみられており、市場環境の好転も買い要因に働いている。

●オフィス型やホテル型REITに再評価余地

 では、J-REITではどんな個別銘柄が狙えるのか。市場では、主力のオフィス型や物流施設型などに再評価余地があるとみられている。最大手の日本ビルファンド投資法人 <8951> [東証R]の分配金利回りは3.2%の水準にあり魅力的だ。ジャパンリアルエステイト投資法人 <8952> [東証R]や同じくオフィス型のグローバル・ワン不動産投資法人 <8958> [東証R]、大和証券オフィス投資法人 <8976> [東証R]などは注目できる。また、電子商取引(EC)需要は強く物流施設特化型REITの投資妙味は大きい。産業ファンド投資法人 <3249> [東証R]やGLP投資法人 <3281> [東証R]、三菱地所物流リート投資法人 <3481> [東証R]などに上値余地がある。

 加えて、オフィスと住居、物流施設などから成る「総合型」で日本プライムリアルティ投資法人 <8955> [東証R]や大和ハウスリート投資法人 <8984> [東証R]など。更に、今後の旅行需要の復活に期待し星野リゾート・リート投資法人 <3287> [東証R]やインヴィンシブル投資法人 <8963> [東証R]などホテル型にも注目したい。

株探ニュース
配信元: 株探

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