日経平均は6日ぶりに反発、一時39000円台回復も上値重い
19日の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は15.37ドル高の42342.24ドル、ナスダックは19.93ポイント安の19372.77で取引を終了した。寄り付き後は上昇。連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備制度理事会(FRB)が追加利下げペースの減速を示したことを受けた前日の急落は行き過ぎとの見方から買い戻しの動きが出た。朝方発表された7-9月期国内総生産(GDP)は上方修正され、新規失業保険申請者数も減少と経済活動の拡大が示されたことで長期金利が上昇、相場の重しとなり伸び悩んだ。引けにかけて売りが優勢となり、ナスダックは下落に転じた。
米国株は高安まちまちも為替の円安推移を材料に、東京市場は買い優勢で取引を開始。日経平均は一時39000円台を回復する場面も見られた。ただ、昨日の植田和男日本銀行総裁の記者会見での発言から、来年1月利上げも難しいとのムードが強まり、メガバンクなど金融株が下落。買い一巡後の日経平均の上値は重く、前日終値水準でのもみ合いとなった。
日経平均採用銘柄では、日銀の「ハト派」方針を材料に、住友不動産<8830>、三菱地所<8802>、東急不HD<3289>、三井不動産<8801>など不動産株の上げが目立ったほか、KADOKAWA<9468>の株を10%保有する筆頭株主となると発表したソニーグループ<6758>は買われた。一方、KADOKAWAは買収プレミアムがはく落しストップ安売り気配。このほか、三越伊勢丹<3099>、ZOZO<3092>、鹿島建設<1812>、バンナムHD<7832>、太陽誘電<6976>などが上昇した。
一方、りそなHD<8308>、三菱UFJ<8306>、コンコルディア<7186>、みずほ<8411>、ふくおか<8354>、三井住友<8316>など銀行株の下げが目立ったほか、第一生命HD<8750>も売られた。このほか、TOPPANホールディングス<7911>、HOYA<7741>、IHI<7013>、資生堂<4911>なども下落した。
業種別では、不動産業、石油・石炭、輸送用機器、建設、サービスなどが上昇した一方、銀行、その他製品、空運、精密機器、電気・ガスなどが下落した。
為替は1ドル157円台と円安ドル高推移が強まっていたが、朝方、加藤財務大臣による軽い口先介入を受けて円安基調は一服した。日米中銀会合を通過するなど重要イベントをこなしたこともあり、東京市場は商いが徐々に減少しそうだ。海外の機関投資家はクリスマス休暇入りしていることから、後場の日経平均は前日終値水準で方向感に乏しい展開となろう。
<AK>
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