【井川純一の今夜も兜町で一杯】ああ、ＺＭＰ上場延期！酒は憂いの玉箒です

　ああ、なんて強い相場なのでしょ。トランプ相場というけれど、理外の理的な感じも漂っています。今日１２月９日（金曜日）の日経平均株価は、２３０円９０銭高の１万８９９６円３７銭、惜しくも１万９０００円奪回ならず。とは言え、上値追い基調を継続する欧米株市場を引き継ぎ、日経平均は大幅高で４日続伸。ＥＣＢ理事会では資産買い入れ額を減額したんですが、量的金融緩和の９カ月間の期間延長を決めたことで市場に買い安心感が広がった…そんな感じでしょうかね。
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　昨日８日大引け後、自動運転の有力ベンチャーとして注目度が高かったＺＭＰが、１９日に予定していた東証マザーズへの新規上場を延期すると発表。当編集部でも、「ええ、本当に？」「うっそぉ～」等々、異様な声が漏れた。「顧客の個人情報の流出」をＩＰＯ延期の理由としているが、なんかねぇ…。それにしても、公開価格をきょう決定する予定だったわけで、「おいおい、そりゃねぇだろ」といった感じだ。

　というわけで、ＺＭＰ関連株は軒並み安。ＺＭＰ関連株の中核銘柄として買い人気を集めていたフューチャーベンチャーキャピタル<8462.T>をはじめ、アートスパークホールディングス<3663.T>、ドリームインキュベータ<4310.T>、ジャフコ<8595.T>、アイサンテクノロジー<4667.T>などが売られた。

　ＺＭＰの上場延期発表が、この好調相場に水を差すのではないかと、朝からひやひやしていたが、「そんなの関係ねぇ♪」といった感じで、胸をなでおろす。これもまた、全体相場の強さを物語っている。先輩の経済ジャーナリストがＺＭＰの上場延期ついて電話をかけてきた。「知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼（おそ）れずだぜ」とのこと。う～ん、知者でも仁者でも、なおかつ勇者であるわけもない当方には、なかなかそんな境地にはならない。

　最近、気になるのが百貨店株。インバウンド需要の剥落で株価も売り叩かれた感があるが、チャートを覗くと底打ち反騰態勢も整ってきているようにも思う。取りあえず、鋭意取材中なのである。

　酒は憂いの玉箒（たまははき）なり。今宵は、揚げ出し豆腐で黒ホッピーの気分。久方ぶりに神田界隈へでも足を運ぶかね。
《ＫＣ》

出所：株経ONLINE（株式会社みんかぶ）