＜話題の焦点＞＝食品宅配の市場拡大、働く女性やシニア世帯増が寄与

　外食市場が伸び悩む中、食品宅配市場が好調だ。働く女性やシニア世帯の増加に加えて、「近所に買い物をする店がない」「料理ができない」といった人にとっても、適温、あるいは電子レンジで温めるだけの食事である食品宅配に対するニーズは高い。

　矢野経済研究所（東京都中野区）によると、２０１３年度の食品宅配市場は前年度比４．１％増の１兆８８１６億円が推測され、１７年度には２兆２０４５億円になると予測されている。調査対象には在宅配食（食品宅配）サービスや宅配ピザなどだけでなく、生協の宅配やネットスーパー宅配なども含まれているが、中でも主に高齢者向けに弁当などの食事を定期的に届ける在宅配食などが堅調に推移しており、外食産業が１９９７年をピークに縮小していることを考えると好調ぶりが目立つ。

　市場の拡大の背景には、プレーヤーの増加もある。居酒屋大手のワタミ<7522.T>は０８年に弁当宅配事業に参入。また、ファミレス最大手、すかいらーくの業績回復にも宅配が寄与している。セブン＆アイ・ホールディングス<3382.T>傘下セブン―イレブン・ジャパンが展開する「セブンミール」なども展開を強めており、今後も市場拡大が期待できる。

◆主な宅食関連銘柄

銘柄（コード）　　　　　　宅配サービスの内容

夢の街創造委員会<2484.T>　出前・宅配を行う店舗を仲介する「出前館」を展開
カネ美食品<2669.T>　　　　おおさかパルコープなどの「夕食サポート」を製造
マクドナルド<2702.T>　　　全国約１５０店舗で「マックデリバリー」を展開
７＆ｉＨＤ<3382.T>　　　　全国のセブン－イレブン店舗で「セブンミール」を展開
ワタミ<7522.T>　　　　　　調理済み食品を１日に２７万５０００食配食（前期）
壱番屋<7630.T>　　　　　　全国のほぼ半分の店舗でカレーの宅配を実施
モスフード<8153.T>　　　　全国３００弱の店舗で「モスのお届けサービス」を展開


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）