ニプロ、前期経常を一転2％減益に下方修正、配当も10円減額

　ニプロ <8086> が5月8日大引け後(15:00)に業績・配当修正を発表。18年3月期の連結経常利益を従来予想の301億円→226億円(前の期は231億円)に24.9％下方修正し、一転して2.4％減益見通しとなった。

　会社側が発表した下方修正後の通期計画に基づいて、当社が試算した10-3月期(下期)の連結経常利益も従来予想の183億円→108億円(前年同期は165億円)に40.9％減額し、一転して34.4％減益計算になる。

　業績悪化に伴い、前期の年間配当を従来計画の38.5円→28.5円(前の期は29円)に減額修正した。

株探ニュース

会社側からの【修正の理由】
　平成30 年3 月期の売上高予想につきましては、医療関連事業は国内外ともに概ね順調に推移したものの、国内市場では一部の医療機器において4 月の薬価改定を見込んだ買い控えの影響が想定よりも大きく、また、医薬品においては製造の遅延を年度末までに解消するに至らず、自社ブランドジェネリック医薬品売上および医薬品受託製造売上が予想と大きく乖離する見込みとなりました。この結果、売上高予想は、前回発表予想を若干下回る見込みであります。一方利益面につきましては、上記の売上予想の未達による影響に加え、再生医療関連の研究開発やジェネリック医薬品開発を積極的に推進したことにより開発費用を中心とした販売管理費が予算を上回ったこと、および未実現利益の消去をした結果、営業利益予想は、前回発表予想を下回る見込みであります。さらに下期からの円高傾向により為替差損を計上することとなり、経常利益予想は、前回発表予想を下回る見込みであります。また、親会社株主に帰属する当期純利益予想は、ニプロ（株）単体をはじめ複数の子会社における税効果会計による処理の結果、法人税等の減少が見込まれるものの、子会社での固定資産およびのれんの減損や事業整理に伴う損失等の特別損失がかさむなどし、前回発表予想を下回る見込みとなりましたので、前回発表予想を上記のように下方修正するものであります。

　当社の配当方針としては、単体当期純利益の3 分の2 と連結当期純利益（親会社株主に帰属する当期純利益）の3 分の1 の合計額を配当の基礎となる利益額とし、平成30 年3 月期についてはその40％を配当に充てる予定としております。配当金につきましてはこの方針に従って、今回の業績修正に伴い、修正するものです。