「自動車業界が典型的な例ですが、100年に一度の大変革が起きています。未来は誰にも読めません」と語る木根渕 純(きねぶち じゅん)社長。
創業者の長男だが、前職では米国リーマンブラザーズでのM&Aアドバイザリー業務や、シリコンバレーでベンチャー投資に従事していた。2003年にウェーブロックの社長に就任すると、最初に手掛けたのが当時東証2部に上場していたダイオ化成の公開買い付けだった。以来、M&Aや各種の投資手法を駆使して事業ポートフォリオの拡充・組み替えを行い、非上場の8年間、再上場後の2年間を含む16年間をかけて、同社を現在の形にまで育て上げた。
「創業者のカリスマ経営だった会社を、先の読めない時代の変化にも適応出来る会社へとつなげるために、企業文化や体質を変革させ続けることが私の役割だったと思います」と振り返る。
今回行った組織再編や役員人事の刷新は、新たなステージへの第一歩。今後もM&A等の手法は使い続けるが、モノづくりへの原点回帰が従来以上に重要になると言う。
「アマゾンなどの(ネット取引の)支配力が更に強まれば、バリューチェーンの中抜きが加速し、エンドユーザーとメーカーとの距離が縮まります。結果、メーカーは、メーカーとしての存在価値を今まで以上に問われ、生産や技術などへの原点回帰が必要になると思います。一方で、エンドユーザーとの直接の関係が密になることで、製品というハードだけでなく、ソフトやサービスを含めたソリューションの提供が、他社との差別化、ひいては生き残りのために益々大切になってきます。成熟産業に軸足を置く我々こそ、テクノロジーのもたらす革新的な変化にも注意を払いながら、先が読めないという不確定要素自体をチャンスへと替えて行きたいと思います」
<SF>
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