前週末6日の米国株式相場はまちまち。ダウ平均は66.78ドル安の28323.40ドル、ナスダックは4.30ポイント高の11895.23ポイントで取引を終了した。全米で1日の新型ウイルス感染者数が過去最多に達したことや、ジョージア州上院の決選投票の可能性から民主党が政権、議会を掌握する可能性が依然残っていることも警戒されダウ平均は終始軟調な推移となった。
米国株式相場を受けた今日の東京株式市場は買い優勢の展開となった。日本時間8日にバイデン氏が「勝利宣言」の演説を行ったことを受け米国政治の不透明感が後退したことや、先週末に米国で発表された10月の米雇用統計は予想を上回る内容となったことなどが東京市場の株価支援要因となった。また、20年4-9月期決算が佳境となる中で業績予想を上方修正する企業が増えており、企業業績への期待感も高まり、株価押上げ要因となった。
個別では、20年12月期業績予想を上方修正したアートスパーク<3663>、21年3月期業績予想を上方修正した蛇の目<6445>、A&D<7745>がストップ高買い気配となり、20年12月期業績予想を上方修正したアシックス<7936>がストップ高まで買われ、21年3月期業績予想を上方修正したミクシィ<2121>、ホンダ<7267>、FUJI<6134>、ジーテクト<5970>、レック<7874>、日本光電<6849>、GSユアサ<6674>が上昇し、また、21年3月期利益予想を上方修正したステラケミファ<4109>、21年3月期上半期(中間期)
連結営業利益が前年同期比2.6%増と自社株買いを発表したNTT<9432>が上げた。また、米大統領選でバイデン氏勝利が濃厚となったことを受け、イーレックス<9517>、レノバ<9519>、ウエストHD<1407>など再生エネルギー関連株も物色された。
一方、米食品医薬品局がアルツハイマー型認知症治療薬に否定的な見解を公表したことを受けたエーザイ<4523>、7-9月期実績・通期見通しともにコンセンサスを下振れたスクエニHD<9684>、公募増資を発表したJAL<9201>が10%を超す下げとなった。
セクターでは、精密機器、海運業、輸送用機器、非鉄金属、情報・通信業などが値上がり率上位。一方、空運業、鉱業、医薬品、陸運業、繊維製品などが値下がり率上位だった。東証1部の値上がり銘柄は全体の54%、対して値下がり銘柄は41%となっている。
日本企業の20年4-9月期決算発表が順調に進んでいる。発表は今週で一巡するが、ここまでの途中経過をバリュー株(割安株)、グロース株(成長株)の視点から見てみる。東証が公表している指数に、TOPIXバリュー、TOPIXグロースという指数がある。
決算発表が本格化する直前の10月23日終値と2週間後の先週末11月6日終値を比べると、TOPIXバリューの上昇率は0.25%、TOPIXグロースは3.61%。この期間の相場は米大統領選の影響を受けたことも考慮する必要はあるが、決算発表が始まって以降はグロース株優位の相場展開となっていると言えそうだ。
業種別で見てみよう、この期間の値上がり率上位には、医薬品、精密機器、電気機器、機械、その他製品、電気・ガス、食料品、サービス業などが並ぶ。材料が出た個別銘柄が指数の上昇に大きく寄与したものもあるが、概ね景気ディフェンシブやいわゆるグロース色の強い業種が多いようだ。一方、値下がり率上位には、空運業、鉱業、ゴム製品、保険業、証券商品先物、鉄鋼、水産・農林、石油石炭製品、卸売業、海運業などが並んでいる。こちらは景気敏感業種やバリュー色の強い業種、金利上昇局面で物色される業種が目立つ。
このように、決算発表が本格化して以降の東京株式市場では、景気ディフェンシブ株やグロース株が相場を牽引したことが窺える。重ねて言うが、この期間の相場が米大統領選の影響を強く受けていることは考慮しなくてはならない。だが、そのことも含め、今後の相場展開を占うヒントにはなりそうだ。先週末はバリュー株の巻き返しの動きも見られた一方、今週はマザーズやJASDAQ上場企業の決算発表が増え、グロース株優位の相場展開がより鮮明になる可能性もありそうだ。
さて、後場の東京株式市場で日経平均はもみあいとなりそうだ。これまで東京市場の重しとなっていた米国政治の不透明感が後退している効果は大きく、相場の先高観がさらに強くなっている。一方、日経平均は先週4営業日で1300円を超す上昇となり、上げピッチの速さを警戒する向きも多く、上値はやや重くなりそうだ。なお、今日は引け後にソフトバンクG<9984>が4-9月期決算を発表する。また今晩米国でマクドナルド、ビヨンド・ミートが7-9月期決算を発表する。
(小山 眞一)
<AK>
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