＜私の相場観＞＝ケイ・アセット代表 平野 憲一氏

　日経平均が１５年ぶりに２万円大台に乗せた後も、投資家は高揚感にとらわれることもなく、良い意味で冷静な対応をみせている印象を受ける。

　現在の２万円前後の株価水準は投資家心理のせめぎ合いによって紡ぎ出されたものとは違う。欧米株市場の好調に反映されてきたグローバルなカネ余りが、自然体で日本に流れ込み、ＧＰＩＦなど国内年金系資金の買いがこれを脇で支える良好な需給バランスの上に成り立っている。

　先物売りの買い戻しによる踏み上げ相場の色彩は既に希薄化しているが、その一方で海外年金やオイルマネーなどの実需の買い主体は、持たざるリスクを背景に日本株へのシフトを今後強めることが予想される。したがって、目先は上値が重くとも中期的な先高観に変化はない。当面の日経平均は２５日線を下限ラインに、上方カイ離４％程度のゾーンでの強基調を想定している（１４日時点換算では日経平均の上値は２万３００円近辺）。

　物色対象は決算発表を絡め好業績銘柄に対するニーズが高まりそうだ。個別に日本精密<7771.T>や西華産業<8061.T>などに注目している。


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）