日経平均は4日ぶり反落、決算一巡で積極的な売買は手控えに
16日の米国株式市場は反落。ダウ平均は38.62ドル安(-0.10%)の39869.38ドル、ナスダックは44.07ポイント安(-0.26%)の16698.32、S&P500は11.05ポイント安(-0.21%)の5297.10で取引を終了した。早期の利下げ期待を受けた買いが続き、寄り付き後、上昇。ダウは初の4万ドル台を達成も、その後、高値達成感に利益確定売りにおされ伸び悩んだ。4月消費者物価指数(CPI)の結果にもかかわらず米連邦準備制度理事会(FRB)高官が依然、当面、高金利維持を支持する慎重姿勢を再表明したため長期金利の上昇を受けてハイテクは売りに転じた。終盤にかけ、ダウもプラス圏を維持できず相場は下落で終了。
米国株下落を受けて、東京市場は売り優勢で取引を開始。日経平均は300円超の下げでスタートした後はじりじりと下げ幅を縮小する展開となった。決算発表が一巡し、目立った売買材料に欠けるなか、前日の上昇に対する反動などが一巡した後は、積極的な売買は手控えられた様子。一方、TOPIXは前日比プラス圏で前引けを迎えており、昨日とは対照的な相場となった。
日経平均採用銘柄では、住友ファーマ<4506>が引き続き売り優勢となり年初来安値に接近したほか、東京エレクトロン<8035>が昨日の上昇に対する反動で下落。このほか、レゾナック<4004>、コニカミノルタ<4902>、リコー<7752>、ニコン<7731>、電通グループ<4324>が売られた。
一方、決算説明会にて防衛事業が拡大する見通しが示されたことで日本製鋼所<5631>が大幅高となったほか、足元の金利上昇なども加わり三井住友<8316>が7日続伸。このほか、ルネサスエレクトロニクス<6723>、ニデック<6594>、村田製<6981>、トヨタ自<7203>、高島屋<8233>が買われた。
業種別では、精密機器、その他製品、化学、非鉄金属、建設業などが下落した一方、銀行業、電気・ガス業、輸送用機器、鉄鋼、石油・石炭製品などが上昇した。
為替が1ドル155円80銭台と寄付き比では40銭ほど円安ドル高が進行している。10時頃、日本銀行が実施する国債買い入れオペ(公開市場操作)を通知。市場では国債購入を一段と減らすとの思惑があったものの、購入予定額を前回と同じにしたことで、日銀の通知後は円売りドル買いの流れが強まった。足元の円安進行はトヨタ自など自動車関連銘柄しっかりの要因となっておりTOPIX優位の状況だ。東京エレクトロン次第ではあるが、もう一段円安が強まれば、後場の日経平均はじりじりと下げ幅を縮小する可能性もあろう。
<AK>
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