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2024/12/23 - オーバル(7727) の関連ニュース。*15:07JST オーバル Research Memo(7):アジアNo.1のセンシング・ソリューション・カンパニーを目指す(3)■オーバル<7727>の中長期の成長戦略(4) 新事業創出戦略社内自社技術の展開として、自社保有技術(設計・製造)を再点検し、創出できる新事業の検討を図る。また、社内ベンチャー制度を創設し、意欲ある従業員の有益な意見を吸い上げ、将来を見据えて社内で起業家を育成する。これらの成長戦略の2025年3月期中間期の実績としては、第1に新製品である液体用電池駆動式クランプオン形超音波流量計「UC-1」のリリー

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オーバル Research Memo(7):アジアNo.1のセンシング・ソリューション・カンパニーを目指す(3)

配信元:フィスコ
投稿:2024/12/23 15:07
*15:07JST オーバル Research Memo(7):アジアNo.1のセンシング・ソリューション・カンパニーを目指す(3) ■オーバル<7727>の中長期の成長戦略

(4) 新事業創出戦略
社内自社技術の展開として、自社保有技術(設計・製造)を再点検し、創出できる新事業の検討を図る。また、社内ベンチャー制度を創設し、意欲ある従業員の有益な意見を吸い上げ、将来を見据えて社内で起業家を育成する。

これらの成長戦略の2025年3月期中間期の実績としては、第1に新製品である液体用電池駆動式クランプオン形超音波流量計「UC-1」のリリースがある。この流量計は、「完全工事レス」をコンセプトに開発されたもので、簡単・手軽に流量計測を行えるため、工事や商業施設におけるユーティリティ・エネルギー流体(水、温水等)の計測範囲拡大に最適である。従来はコストや工事期間等の面から導入が困難であった枝管の隅々まで流量を可視化することで、省エネ推進・脱炭素化への貢献が期待できる。8種類の配管口径に対応しているうえ、配管工事や工具、電源工事が不要であり、流量の遠隔管理によって簡単に「流量遠隔計測システム」を実現し、様々な環境情報を丸ごと可視化するソリューションも提供できることを主な特長としている。本製品はリリースして間がないにもかかわらず、従来とは異なる顧客からも多数の引き合いがあり、今後の成長・売上純増が期待できる。なお、2024年度グッドデザイン賞(主催:(公財)日本デザイン振興会)を受賞したことも、今後の販売拡大に貢献しそうだ。

第2に、これまで注力してきた大流量の水素ガス流量計校正設備「OVAL H2 Lab」(仮称)の開設決定がある。同社では、これまで「OVAL H2 Lab」(仮称)建設構想への対応を進めてきたが、いよいよ2026年3月期中に運用開始の予定となった。流量計の精度を左右するのが、「校正」と呼ばれる工程である。校正とは、実際に計測する流体(気体や液体)を流量計に流し、基準器との計測値のズレやバラつきをチェックする作業のことだ。この校正が徹底されていないと、正確な計測値を得られなくなる恐れがある。同社は次世代エネルギー市場にリソースを傾注し、サプライチェーンの一翼を担って新たなビジネスチャンスとするとともに、脱炭素・カーボンニュートラルの実現といった持続可能な社会に貢献するため、水素計測用流量計のクオリティ向上に注力している。完成後は自社製品の校正に加え、他社の校正も実施することで、2026年3月期以降の業績貢献を見込んでいる。

第3に、産業技術総合研究所より、「気体中流量校正設備改修」「超音波流量計」及び「北事業所流体輸送実験施設改修工事」を入札により大口受注した。「気体中流量校正設備」は、流量計のメーカーやエンドユーザーなどからの依頼による気体用流量計の校正をはじめとして、産学官連携に資する流量計の特性評価、臨界ノズルの特性に関する研究開発などに活用されている。今回の改修では、これら気体中流量校正設備における大型装置の更新や、システム全般の連携調整、改修作業を行う。また、「超音波流量計」で受注した液体用マルチパス超音波流量計「Psonic-L4」の特長は、純国産製品は同社のみであり、高い信頼性と4本の測定線(4パス)により、実流校正を行うことにより、測定値に対して±0.15%の高精度を実現し、取引用途で必須となるトレーサビリティが確保できる点である。また、平行パス(測線)の採用による長期安定性と冗長性も備えている。さらに、「北事業所流体輸送実験施設改修工事」の工事対象である北事業所流体輸送実験施設は、水の流量トレーサビリティ制度における国家標準施設で、水用流量計の校正設備である。今回、受注した超音波流量計が設置される液体流量標準設備は、この設備の一部であり、産業技術総合研究所の計量標準の開発・供給拠点の高度化及び強靱化事業の一環として、流体輸送実験施設の改修を同社が担うもので、配管やバルブなどの機械の改修と、塗装など建築部分の改修を行う。同社では、流体計測制御に関連する各種試験設備や生産・出荷設備などを設計・施工を含め一括で対応しており、これまでの経験から国の標準に採用され、今回の受注につながったものと同社は考えている。産業技術総合研究所からのメンテナンスの受注はここ1〜2年間に集中しており、工事進行基準により進捗率に応じて収益に計上されている。

加えて、2025年3月期中間期には、アジアNo.1のセンシング・ソリューション・カンパニーを目指すための設備投資として海外子会社の工場建設も計画した。中国子会社(合肥オーバル有限公司)では、第3工場の建設に着手し(2025年末頃に完成予定)、韓国子会社(Oval Engineering)でも新工場と校正設備を建設・移転した。

一方、経営基盤強化戦略の具体的な取り組み計画は以下のとおりである。

(1) 製造BCL戦略
徹底したBCL(ベスト コスト ロケーション)として、原材料・生産工程を考慮した設計、並びに生産方式・サプライチェーンの見直しを実施し、コスト(材料費・製造経費)削減と品質・納期の安定の両立を図る。また、プロダクトポートフォリオの活用として、変わりゆく市場環境の中で各製品における収益性や成長性などを分析し、重視すべき製品や撤退すべき製品などを明確化する。

(2) 人事財務強化戦略
人事戦略としては、適正な人数の人員を適材適所に配置することを徹底し、生産性の向上を図るとともに、将来を見据えた次世代を担う人財の育成とグループ一体となった人財育成システムの構築を目指す。また、財務戦略としては、新規事業や収益を創出する事業に経営資源を集中投下する。

(3) DX推進戦略
DXの推進として、専任部署を新設し、全社でデジタルツールを活用し企業の成長を加速させる。また、情報資産の有効活用として、蓄積された納入実績・修理実績・顧客情報のデジタルマーケティングへの活用を図る。さらに、DXマインドの醸成としては、全従業員がデジタルを活用し、新しいことへの挑戦に対するマインドを醸成する。

(4) サステナビリティ推進戦略
事業活動を通じた環境課題への取り組みとして、化石燃料の代替エネルギー関連商品をはじめとした環境に配慮した製品及びサービスを提供するとともに、事業活動により排出されるCO2量の削減、廃棄物の削減と再利用を推進する。また、人権尊重としては、性別や年齢、国籍や社会的身分、障がいの有無など個人の属性に関係なく、すべてのステークホルダーの人権を尊重する。さらに、法令や規則の遵守としては、公正な競争・適時適切な情報開示など、誠実な企業活動を実践し、ガバナンス体制の強化を図る。

これらの経営基盤強化戦略の2025年3月期中間期の実績としては、サステナビリティの分野で、健康企業宣言東京推進協議会から「健康優良企業(金の認定)」を取得したことが特筆される。同社では、従業員の心と身体がともに健康であり続けることで、従業員が働きがいを実感できるため、健康経営は企業の成長には不可欠と考え、従業員の健康管理を経営課題と捉えている。この課題への取り組みとして、「健康と安全に配慮した働きやすい職場環境を整備する」との指針の下、定期健康診断の受診率100%を目指すことや、心身の健康への気づきを目的とした研修の紹介・実施、日々の積み重ねとしての毎朝の体操実施、運動不足の解消のためのウォーキング大会の開催などを行い、徹底した過重労働の防止や働き方改革にも取り組んでいる。従来の「銀の認定」から評価が上がったのは、これら様々な取り組みの積み重ねが評価されたものと弊社では考える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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配信元: フィスコ

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