2025年3月期の業績は、売上高38,020百万円(前期比14.7%増)、営業利益2,327百万円(同116.0%増)、経常利益3,657百万円(同225.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,579百万円(同235.8%増)と予想されており、期初予想(売上高33,739百万円、営業利益790百万円)から大幅に上方修正された。これは、10月に衆議院選挙が行われたことで、選挙システム機材の売上高が大きく増加するためである。経常利益が大幅増益予想となっているのは、持分法子会社が有形固定資産を売却し、同社の営業外収益(持分法利益)1,304百万円を計上するためだ。
連結セグメント別売上高は、情報・印刷・産業システム機材が19,319百万円(前期比1.8%増)、金融汎用・選挙システム機材が9,130百万円(同95.3%増)、紙・紙加工品が9,275百万円(同0.7%増)、不動産賃貸・リース事業等が295百万円(同10.9%増)と予想されている。(注:セグメント別利益の予想は開示されていない。)
設備投資額は182百万円(前期は438百万円)、減価償却費は401百万円(同395百万円)、研究開発費は581百万円(同353百万円)となる予定である。
サブセグメント別(単体ベース)の見通しでは、情報・産業システム機材の売上高は8,660百万円(同10.2%増)と増収予想だが、注力している文書のデジタル化事業の売上高は5,483百万円(同6.9%増)と通期で増加を見込んでいる。依然として全体の引き合いは強い。印刷システム機材では、オリジナル製品の販売は堅調であるが、印刷材料の需要が弱含みであることから、売上高は7,825百万円(同6.5%減)を見込んでいる。
金融汎用システム機材では、金融機関向けの新紙幣関連需要は一巡したものの小売業などからの改造重要が続いており、売上高は2,269百万円(同18.0%増)を見込んでいる。主力の選挙システム機材では、10月に衆議院選挙が行われたことから売上高は6,686百万円(同160.0%増)と大幅が予想されており、過去最高となる見込みだ。紙・紙加工品については、各種パッケージ用の板紙の販売は堅調に推移するものの、情報用紙等の需要は低迷が予想され、売上高は5,743百万円(同3.2%増)を見込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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