16日の米国株式市場のダウ平均は314.25ドル高(+0.93%)、ナスダック総合指数は160.75ポイント高(+1.20%)、S&P500は45.85ポイント高(+1.06%)とそれぞれ上昇。米政府、同盟国が中東情勢を巡り外交的解決に向け努力しており、大きな情勢悪化が見られない現状を好感し上昇。グールズビー米シカゴ連銀総裁がインタビューで、インフレ鈍化基調を認めたため金利先高観が後退しハイテクも買われた。
米株高につられる形で17日の日経平均は404.76円高の32063.79円と3日ぶり反発して取引を開始した。ただ、中東情勢の緊迫化が株価の重しとなり徐々に下落基調へ。
前場中ごろには再び節目となる32000円を下回った。
個別では、前日発表の中期経営計画が高評価となった西本WISMETTACHD<9260>がストップ高。RPAHD<6572>が上昇。Gunosy<6047>、アトラエ<6194>、anfac<7035>、DmMiX<7354>、トランザクション<7818>、ギフトHD<9279>らも上昇した。昨日でジャニーズ事務所が事実上の閉鎖となり類似企業に業績拡大のチャンスが訪れるとの思惑からエムアップHD<3661>、SKIYAKI<3995>などが上昇。リョーサン<8140>
との経営統合正式発表で菱洋エレクトロ<8068>が大幅上昇、リョーサンも買い先行の動きとなった。東証スタンダードでは、テーオーHD<9812>が年初来高値更新、東京衡機<7719>も上昇。東証グロースでは、アルファクス・フード・システム<3814>
がストップ高、カルナバイオサイエンス<4572>も大幅上昇となっている。
一方、前日発表の決算が嫌気された日本国土開発<1887>、テラスカイ<3915>、古野電気<6814>、日置電機<6866>らが下落したほか、ヨシムラフード<2884>、DDグループ<3073>、インテージHD<4326>、イオンファン<4343>、M&A総研<9552>らが下落率上位に並んだ。東証スタンダードでは、ギグワークス<2375>や鉄人化計画<2404>らが下落、東証グロースでは、データHR<3628>やバリュエンス<9270>らが下落した。
セクター別では、サービス業、精密機械が上昇をけん引。一方で、パルプ・紙、石油・石炭製品、非鉄金属が下落率上位に並んだ。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の64%、対して値下がり銘柄は32%となっている。
本日の日経平均株価は、前日の米株高を足掛かりに反発スタートとなったものの上値は重く、再び32000円を下回って前引けを終えた。前日の米国株式市場は上昇し、中東情勢をめぐる外交的努力に一定の評価を示した形とはなった。昨日発表されたNY連銀製造業景況指数は前月から低下ししたものの、市場予想は上回っていたことから、特にネガティブ視はされなかったようだ。
ただ、イラン外相が戦線拡大を示唆するなど、決して楽観視できない状況が続いている。ドル・円は1ドル=150円手前で膠着状態となっているが、ここのところ日本の為替介入の有無に関し、鈴木財務相や神田財務官の発言が報道で取り上げられており、急激な動きには警戒したい。今晩は米国で9月小売売上高の発表を控えており、後場はこれを見極めたいとして大きな動きは控えられそうだ。引き続き個別の動きが見られている決算関連に注目するのも一手だろう。
(二階堂千穂)
<AK>
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