横浜フィナンシャルグループ<7186>は、横浜銀行を中核とした国内トップクラスの地域金融グループであり、2025年10月には「コンコルディア・フィナンシャルグループ」から商号を変更した。神奈川・東京を主力市場とし、法人・個人双方に幅広い金融サービスを提供している。法人分野では事業承継や資本政策、個人分野では新NISAを背景とした資産形成支援や相続関連のニーズなど、多様化・高度化する顧客ニーズに対応するソリューション提供力を高めている。貸出金は中小企業融資や資産家向け融資を中心に堅調で、地域に根ざした安定的な顧客基盤が成長を下支えしている。
同社の強みは、第一に、東京都・神奈川県という国内でも随一の経済規模を誇るエリアに212店舗を設置し、面としての顧客接点を持つことにある。国内の上場企業の6割が所在し、個人資産も集中する同エリアにおいて、法人向けのファイナンスを中心としたソリューションビジネスを展開し、また個人分野においても新NISAを契機とした現役世代向けの資産形成支援、シニア層向けの相続・資産承継コンサルといったようにライフステージに応じた多様な商品ポートフォリオを持つ。第二に、単なる金融サービスに留まらない、多様な課題に対応できる提案力が挙げられる。2019年度以降、同社はLBOローン(M&Aの際の買収先の信用力を担保するファイナンス)をはじめとするストラクチャードファイナンスなどの法人向け戦略ソリューションを積極的に展開し、サービスの高付加価値化を促進してきた。第三に、財務基盤の安定性が挙げられる。預金残高は20兆円超と地方銀行グループとしてトップクラスの規模を維持しており、同社が多様な金融ソリューションを提供するうえでの安定的な資金源となっている。こうした資金調達力が、コア業務の業績を着実に伸長させ資本の蓄積に繋がっており、L&Fアセットファイナンスの子会社化などの戦略的投資を積極的に実行できる基盤となっている。
直近の2026年3月期第3四半期累計期間(2025年4~12月)は、業務粗利益229,923百万円(前年比18.4%)、経常利益123,201百万円(同32.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益85,008百万円(同35.4%増)と大幅な増収増益を達成した。ソリューションビジネスの強化による貸出金利息の増加や、法人役務収益が堅調に推移したことに加え、子会社化したL&Fアセットファイナンスの収益貢献も利益を大きく押し上げた。親会社株主に帰属する当期純利益予想(103,000百万円)に対する進捗率は82.5%に達している。与信関係費用も前年同期比で66億円減少するなど低水準で推移しており、これらを背景とした5期連続の増益および実質過去最高益の更新に向けた期待が一段と高まっている 。
今後の成長見通しについては、2025~2027年度の新中期経営計画において「Growth」「Empowerment」「Sustainability」を基本テーマに掲げ、政策金利0.75%を前提に、27年度には純利益1,200億円超、ROE9%超を達成することを目標としている。
具体的には、法人・個人双方へのソリューションビジネスの深化・拡大を通じた収益拡大、人財投資による人的資本の強化、業務改革とIT活用による生産性向上、地域の脱炭素推進をはかるとともに、地域における多様なネットワークを活用した地域社会の課題解決を重視する。加えて、不動産担保金融を手がけるL&Fアセットファイナンスの連結子会社化によってノンバンク領域にも事業領域を広げ、顧客基盤と収益源の多様化を進めている。今後の国内経済では、首都圏への人口集中、業界再編によるM&Aニーズの高まり、継続的インフレによる各資産カテゴリの値上がりなど同社の成長戦略にとって大きな追い風が吹くことが予想される。また、政策金利の上昇も見込まれることから、同社の地方銀行としてのコア業務も成長の基盤として順調に拡大していくだろう。
株主還元については、累進的な配当を基本方針としつつ、機動的な自己株式取得を組み合わせる姿勢を示している。好調な業績を踏まえ、2026年3月期の年間配当予想を前期比から8円増の37円としている。配当性向は40%程度を目安としており、今後も充実した株主還元と業績成長に伴う増配を同時に期待できる状態といえる。
総じて、同社は、横浜・東京という今後も成長が見込める肥沃なマーケットを基盤としており、高度化・多様化するニーズに対応可能な法人・個人双方へのソリューションビジネスに強みがある。多角的な顧客基盤と収益源をさらに拡大していくことによる持続的成長が引き続き期待できる。今後も中期経営計画の進捗や株主還元の強化を通じて企業価値向上を図る同社の動向に注目していきたい。
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