GMOフィナンシャルHD、FXの収益性改善により増収 経常利益は増益も特別損失の計上により最終利益は減益
Q2'23|トピックス
石村富隆氏:本日はお忙しい中、決算説明会にご参加いただき誠にありがとうございます。代表執行役社長の石村です。2023年12月期第2四半期の決算についてご説明します。
まず、今期のトピックスです。GMOコインとFXプライム byGMOの合併を決定しました。これにより、グループ各社の強み融合による顧客基盤の強化と、クロスセル推進による収益拡大を図ります。
GMOコインが存続会社としてFXプライム byGMOを吸収しました。合併の効力発生日は9月1日です。
Q2'23|トピックス
外貨ex byGMOの商号を、GMO外貨に変更しました。外貨ex byGMOはマーケットでの認知が弱かったため、「GMO」を前面に打ち出し、ブランド価値と認知度の向上を図ります。
Q2'23|トピックス
事業開始5年を迎える、GMOあおぞらネット銀行の種類株式の取得についてです。GMOあおぞらネット銀行の成長を継続的にサポートするというかたちで、2023年7月18日に種類株式を取得しました。
種類株式ですので、議決権の所有割合は7.43パーセントから変わりません。当該種類株の普通株式への転換は、GMOインターネットグループ株式会社、または当社の銀行主要株主認可の取得が前提です。銀行株主認可取得以前は、種類株式で保有します。
種類株を普通株式に転換した後は、当社の議決権所有割合は25パーセントになり、GMOあおぞらネット銀行は当社の持分法適用関連会社になる予定です。
タイ証券事業|貸倒引当金繰入額の計上について
タイ証券事業の貸倒引当金繰入額の計上についてです。信用取引において、顧客からの担保として差し入れを受けた代用有価証券2銘柄、More ReturnとOne to One Contactsの株価の大幅な下落に伴い、信用取引貸付金等の回収可能性を検討した結果、2023年第2四半期に貸倒引当金繰入額9.8億円を計上することになりました。
More Return株式については、前四半期からお伝えしているとおり、昨年12月末での債権総額約79億円に対し、2022年第4四半期にいったん約35億円の貸倒引当金を計上しています。
その後、2023年第1四半期に約15億円の貸倒引当金を計上し、今期の2023年第2四半期にも約0.5億円の貸倒引当金を計上しています。
債務者から担保のMore Return株式を一部取得しており、2023年第1四半期に約14億円を買い取り、タイ子会社が保有する状況となりました。
2023年6月末の債権総額約69億円のうち約56億円の貸倒引当金を計上済みで、追加計上リスクは約13億円となっています。株価や返済状況に影響されるため、いったん株価が大きく下がって約13億円となったということです。これ以上株価が下がると、貸倒引当金がさらに計上される可能性もあります。
One to One Contacts株式は、2023年6月末の債権総額が約16億円でした。こちらについても、当初21バーツほどあった株価が現在は1.5から2バーツの間となり、2023年第2四半期で約9億円の貸倒引当金を計上しました。約16億円から約9億円を引いた約7億円が、追加計上リスクとなっています。
タイ証券事業|特別損失の計上について
More Return株式については、タイ王国子会社が債権額を確定させるために14億円買い取りしましたが、株価が著しく下落しています。
こちらについても減損処理を行い、特別損失として約9億円を2023年第2四半期に計上することになっています。現在の保有株残高に関しては、一部売却しているため、約8.4億株の約4億円を保有している状況です。
タイ証券事業|信用取引残高及び金融収支の状況
タイ証券事業の信用取引残高および金融収支の状況です。基本的には、前期末から2023年第2四半期にかけて、継続的に貸倒引当金が発生している状況です。まずはこのリスクを鑑み、残高を減らすことに注力して取り組んでいます。その結果、スライド左側の信用取引残高のグラフのとおり、残高は一時期のピークから3分の2くらいに減ってきています。
一方で、残高が減るということは、こちらから金融収支が生まれているため、収支の方もピークから3分の2くらいに減っています。ただ、損失のインパクトなどを考えると、金融収支を減らしてでも、債権の残高を減らしていくことが必要であると考えています。
Q2'23(1-6月)|決算サマリー(前年同期比)
1月から6月の決算サマリーです。営業収益は前年同期比で見ると、特にFXが好調で38億4,100万円増え、16.6パーセント上振れしています。営業利益も前年同期比で25.9パーセント上振れており、おおむね好調に推移しています。
一方で、先ほどの特別損失やタイの件もあったことから、最終利益は前年同期比マイナス6億1,600万円で着地しています。
Q2'23(1-6月)|セグメント別の状況(前年同期比)
セグメント別の状況です。先ほどお伝えしたとおり、FX事業が非常に好調に推移し、証券・FX事業の営業収益は前年同期比20.2パーセント増となりました。
暗号資産事業は、マーケットが弱含みと言いますか、なかなか活況にならず静かな状況が続いており、営業収益は下がっています。
一方で、前回もお伝えしたとおり、コストをできるだけ引き下げることが功を奏し、営業利益は前年同期のマイナス4億1,700万円から今期はマイナス5,600万円となっています。
Q2'23(1-6月)|営業利益増減(前年同期比)
営業利益の増減です。スライドに記載のとおり、FX収益の伸びがタイ証券事業に係る貸倒引当金繰入額計上をカバーし、増益となりました。
株主還元|配当
株主還元についてです。連結配当性向50パーセント以上を目標とし、2023年12月期第2四半期は1株あたり5.7円としています。
Q2'23(4-6月)|マーケット環境
第2四半期のマーケット環境です。スライド左側は、2市場個人株式等委託売買代金です。第1四半期に比べて円安の影響などで株式が世界的に活況ということもあり、売買代金が増えています。
国内店頭FX取引高は、金利動向に収まりが見られることから、第1四半期に比べて第2四半期はボリュームを少し落としている状況です。
国内暗号資産売買代金は、先ほどの収益にも現れているとおり、右肩下がりにボリュームが減っています。第1四半期に比べて第2四半期はさらに減っており、過去最低水準というかたちです。
こちらは4月と5月の売買代金の合計で、6月分が入っていません。6月はマーケットが戻ってきているため、もう少し増えるだろうとは思いますが、第1四半期に比べるとやはり少ない水準で推移しています。
Q2'23(4-6月)|決算サマリー(前四半期比)
第2四半期の決算サマリーです。前四半期比で、営業利益はタイ証券事業に係る貸倒引当金繰入額が減少し増益となりましたが、最終利益はタイ証券事業等に係る特別損失の計上により減益となっています。
Q2'23(4-6月)|セグメント別の状況(前四半期比)
セグメント別の状況です。先ほどもお伝えしたとおり、証券・FX事業は第1四半期に比べてボリュームが減った中でも、営業収益は確保できています。営業収益の減りがボリュームの減りよりなだらかです。
反対に、営業利益は42億9,400万円と、前四半期からプラス11.1パーセントとなりました。収益率の改善はもちろんのこと、取引コストを見直すなど、これまでかかっていたコストを減らすさまざまな施策を打った結果、営業利益を確保できています。
暗号資産事業に関しては、取引高に応じて収益も前四半期比マイナス11.6パーセントになっています。こちらは収益が減っている分、利益に影響しているかたちです。
Q2'23(4-6月)|営業利益増減(前四半期比)
営業利益の増減です。前四半期比は、スライドに記載のとおりとなっています。FXはプラスですが、CFDが第2四半期はやや弱含み、減益の要因にはなっています。
タイ証券事業の貸倒引当金繰入額については、これまで積んできた貸倒引当金の見直しを行い、回収可能性などを管理したところ、このようなかたちになっています。
四半期業績推移|営業収益(セグメント別/商品別)
セグメント別の営業収益です。特に突出したところはなく、前期と変わったところはありません。
四半期業績推移|営業利益
営業利益の四半期推移です。コストの見直し等々により、前四半期比10パーセント増で着地しています。
四半期業績推移|販売費及び一般管理費
販売費・一般管理費についてです。スライドの棒グラフのグレーのところは貸倒引当金です。その下は特に変動はありません。第1四半期から第2四半期にかけて、販管費に関しては少し減らすことができています。
見通しに関しては、特に変わりはありません。スライドに記載のとおり、合計で約77億円と考えています。
店頭FX|国内取引高シェアの推移
事業の状況です。先ほどから店頭FXは好調とお伝えしていますが、国内の取引高シェアはスライドのグラフのとおりに推移しており、2023年6月のシェアは18.9パーセントでした。取引シェアはいったん低下していますが、収益性は改善しており、利益を確保できている状況が続いています。
店頭FX|預り証拠金残高の推移
店頭FXの預り証拠金残高の推移です。3社合計で3,600億円超ということで、第1四半期より徐々に増えています。
CFD|売買代金・収益の推移
CFDの売買代金についてです。第1四半期はオイルなどのコモディティの値動きがとても大きく、活況でしたが、多少落ち着いたところです。前年の第4四半期あたりの水準に戻ってきたのではないかと考えています。
CFD|預り証拠金残高の推移
預り証拠金残高の推移です。第1四半期から第2四半期は横ばいで推移しています。マーケットの推移に影響されていると推測しており、マーケットが戻ってくることで残高も増えていくと考えています。
国内株式|株式委託手数料・委託手数料率の推移
国内株式の株式委託手数料の推移です。株式マーケットの市況が良いので委託手数料が増えていますというような状況です。ただし、シェアがあまりないため、そこまでのインパクトはないという状況が続いています。
国内株式|金融収支の推移
金融収支の推移です。マーケットの状況に応じて信用取引の取引高も増え、金融収支も増えている状況です。
暗号資産|売買代金の推移
暗号資産については、引き続き低迷しており、Y/Yで64.5パーセント減となりました。このような厳しい状況にあるとはいえ、サービスを強化していくことは必要ですし、暗号資産だけで収益を確保することは難しいところがあるため、先ほどご説明したFXプライム byGMOとの合併や、GMOコインでの「外国為替FX」の提供を開始しています。
新規銘柄も継続的に増やしつつ、お客さまのニーズや取引環境を整えていく活動を粛々と進めていきます。
暗号資産|売買代金シェアの推移
売買代金シェアの推移です。マーケット全体のボリュームは減っていますが、その中でのシェアは比較的確保できています。スライドのグラフのとおり、国内の暗号資産取引高の中では40.8パーセントのシェアを持っているという状況です。
暗号資産|口座数と顧客預り資産の推移
口座数についても、右肩上がりで推移しています。1年間で4万7,000口座増えており、預かり資産額も62.5パーセント増えています。
暗号資産|セグメント収益・利益の推移
セグメント収益・利益の推移です。銘柄追加やキャンペーンの開催、外国為替FXのサービス等の施策を展開しており、2023年9月1日付でFXプライム byGMOと合併します。
私からの説明は以上です。ありがとうございました。
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