1. 2024年12月期中間期連結業績の概要
2024年12月期中間期の連結業績は売上高が前年同期比7.4%減の78,845百万円、営業利益が同46.4%減の1,706百万円、経常利益が同40.5%減の2,160百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同10.2%増の2,862百万円だった。親会社株主に帰属する中間純利益は、特別利益に投資有価証券売却益2,265百万円を計上して増益となったが、主力の機械・工具及び建設資材の減収影響に加え、営業費・人件費・経費などの増加により営業・経常減益となった。
売上総利益は前年同期比で7.6%減少し、売上総利益率は横ばいの15.9%となった。販管費は同4.3%増加し、販管費比率は1.5ポイント上昇して13.7%となった。この結果、営業利益率は1.5ポイント低下して2.2%となった。営業利益が1,479百万円減少した要因は、売上の減少が1,006百万円、利益率の変動が25百万円減、営業費が64百万円の増加、人件費が210百万円の増加、経費が174百万円の増加によるものであった。売上総利益率については、仕入価格変動に合わせた価格改定によっておおむね前年同期並みを維持した。販管費については、営業費が6.7%増加、人件費が3.1%増加、経費が5.4%増加した。
期初予想(2024年2月13日付公表値の売上高83,500百万円、営業利益2,300百万円、経常利益2,700百万円、親会社株主に帰属する中間純利益1,800百万円)との比較で見ると、売上高は4,655百万円、営業利益は594百万円、経常利益は540百万円それぞれ下回り、親会社株主に帰属する中間純利益は1,062百万円上回って着地した。なお中間期業績予想の修正としては、2024年4月23日付で投資有価証券売却益の計上により親会社株主に帰属する中間純利益予想を上方修正、2024年7月26日付で売上高、営業利益、経常利益を下方修正、親会社株主に帰属する中間純利益を小幅上方修正した。
機械・工具が大幅減収減益
2. セグメント別の動向
機械・工具は売上高が前年同期比12.2%減の51,226百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同62.3%減の843百万円となった。需要低迷によって期初予想を下回り、大幅減収減益となった。国内の機械売上は同18.9%の減収であった。自動車関連業界では認証不正問題に伴う設備投資案件停止の動きが継続し、半導体関連業界の設備投資も様子見の動きが継続した。また中小企業の設備投資も全体的に政策補助金の採択に左右される状況が継続した。海外の機械売上は同35.4%減収となり、特に主要エリアである北米は同28.6%減収となった。高金利による買い控えに加え、自動車関連分野ではEVの先行き不透明感による新規投資先延ばしの影響を受けた。中国は同75.8%減収となり、前年同期の大型案件の反動減に加え、日系自動車メーカーの設備投資回復も遅れている。なお海外売上高は11,291百万円で海外売上高比率は前年同期比6.2ポイント低下して14.3%となった。国内の工具売上は同1.5%減収となり、認証不正問題に伴う自動車生産停止の影響を受けたほか、半導体関連も弱含みの状況だった。
建設資材は売上高が同1.6%減の21,780百万円、営業利益が同26.0%減の745百万円と、期初予想を下回り減収減益となった。鉄構資材は仮需の発生や値戻しの実施などにより同0.5%増収となったが、建設コスト上昇などの影響で案件の延期・見直しが行われたため鉄骨建築需要が当初予想を下回り、さらに大型物件向け資材における競合の増加によって売上総利益率が低下した。配管資材は同11.4%減収となった。プラント向けや建築設備向けの需要が低調に推移し、ステンレス商品の市況下落も影響した。住宅設備は同3.6%増収となり、前年の給湯器不足の解消に加え、施工込み案件や直需案件が増加傾向となった。
建設機械は売上高が同24.2%増の4,036百万円、営業利益が77百万円(前年同期は9百万円の損失)となった。建設機械メーカーの価格改定により新車購入案件の引き合いが減少傾向にあるなか、中古車の販売に注力した結果、期初予想を上回る増収増益(営業利益は黒字転換)となった。
IoTソリューションは売上高が同23.9%増の1,802百万円、営業利益が同527.6%増の124百万円と、期初予想を上回る増収増益となった。セキュリティ機器の需要が堅調に推移し、営業強化などによって入退室システムを含めた大型プロジェクト案件を受注(第1四半期に売上計上)したことも寄与した。自動搬送ロボットの引き合いも増加傾向となった。
財務の健全性は高い
3. 財務の状況
財務面で見ると、2024年12月期第2四半期末の資産合計は2023年12月期末比580百万円減少して119,761百万円となった。主に現金及び預金が4,874百万円増加、有形固定資産が937百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が5,324百万円減少、投資有価証券が1,665百万円減少した。負債合計は578百万円減少して47,044百万円となった。主に契約負債が1,556百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が1,590百万円減少した。また有利子負債残高(長短借入金合計)は468百万円減少して926百万円となった。純資産合計は2百万円減少して72,717百万円となった。利益剰余金が1,487百万円増加、自己株式(減算)が743百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が853百万円減少した。この結果、自己資本比率は0.2ポイント上昇して59.9%となった。
なお同社は2024年3月28日開催の取締役会において政策保有株式の縮減を決議した。対象は約40社、保有簿価約647百万円(2023年12月末時点)で、投資先企業と丁寧に対話した上で、売却を進める方針としている。キャッシュ・フローの状況を含めて全体として特に懸念点は見当たらず、財務面の健全性は高いと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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