■NexTone 阿南様
はい、ご指摘の通りです。プライム市場への上場には、純資産や流動株数も重要ですが、時価総額が250億円以上、当社株価で言えば約2,600円が一つの目安となっています。そのため、株価や株主の皆様を大切にし、株主還元やその他の施策を積極的に継続していく必要があります。株価が低迷したままでは、プライム市場への移行が困難になるため、この2年間は特にその点を意識して取り組んでいく所存です。
●Bコミ
ありがとうございます。あとは個人投資家の方からよくいただくご質問かと思いますが、外部環境の影響についてですが、先ほどトランプ大統領の関税問題はあまり影響がないというお話がありました。日本においては、人口減少が進んでいる点や、海外ほどではないもののインフレ傾向が見られることが課題として挙げられています。
そこで、インフレに関してですが、著作権料の仕組みを今後変更していくご予定はあるのか。またはインフレによってビジネスボリュームが増加し、著作権料の利用率は変わらなくても増益が見込めるのか。そのあたりのビジネスと環境の関係について教えていただけますでしょうか。
■NexTone 阿南様
はい。インフレや少子化は確かに懸念材料ではありますが、私はそれほど心配していません。Bコミさんは音楽に詳しいと思いますが、例えばコンサートのチケット価格は、つい最近まで8,000円程度だったものが、現在は12,000円ほどに上昇しています。
●Bコミ
そうですね。とても高くなったと感じています。
■NexTone 阿南様
CDもかつては2,800円程度だったアルバムが、現在は4,000円前後に値上がりしています。
当社のビジネスモデルは、コンサートのチケット代やCDの販売価格に一定の割合を掛ける形となっております。そのため、料金設定自体を変更しなくても、インフレによって自然と売上が上昇する構造です。また、AmazonやGoogleなどのストリーミングサービスの月額料金も、彼らはドル建てで価格を設定しているため、インフレに伴い徐々に上昇していく可能性があります。
さらに、音楽に対してお金を使うボリュームゾーンは、団塊の世代から現在の50代の世代であり、経済的に余裕のある方々がパッケージ商品を購入する傾向が強いのも特徴です。
●Bコミ
そうですね。往年の有名なアーティストのツアーが地方で開催される際に、それに合わせて旅行を楽しむ方も多くいらっしゃいます。
■NexTone 阿南様
おっしゃる通りです。現在の音楽ビジネスは、かつてのようなF1層(20〜34歳の女性)を中心としたターゲットからはシフトしてきています。
そのため、今後10年〜20年の間においては、インフレや少子化の影響が必ずしもマイナスに働くとは考えていません。もちろん、少子化自体は社会全体にとって好ましい現象ではありませんが、当社のビジネスにおいては特に大きなリスク要因とは捉えておりません。
●Bコミ
ありがとうございます。若年層については、どちらかというとサブスクリプション型のサービスを利用しているものの、収益性という点では“薄い”という言い方は適切ではないかもしれませんが、課金額が比較的少ない傾向にあると感じています。一昔前はCDを買わなくなる時期があり、まさにその“端境期”にサブスクが登場しました。その結果として、現在の若年層は、その当時の世代よりもサブスクを積極的に利用している印象はありますね。
■NexTone 阿南様
そうですね。現在では、LINEやTikTokといったプラットフォームからも収益を得られるようになっています。これらは広告収入モデルではありますが、音楽が使用されるあらゆる場面で収益が発生する仕組みが整ってきています。こうした多様な収益源を持っている点は、当社の大きな強みの一つだと考えています。
●Bコミ
なるほど。まさに今の時代ならではというか、テクノロジーの進化が実際に収益を押し上げる要因になっているということですね。ありがとうございます。
■終わりの挨拶
▲フィスコ 高井
最後に、阿南さん、Bコミさんから視聴者の皆さまへご挨拶をいただきたいと思います。まずは阿南さん、よろしくお願いいたします。
■NexTone 阿南様
はい。本日はフィスコ様、そしてBコミ様に、このような貴重な機会をいただき誠にありがとうございました。本日はかなり率直にお話しさせていただきました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
▲フィスコ 高井
ありがとうございます。では、Bコミさん、本日はどのように感じられましたか? ご感想をお願いいたします。
●Bコミ
まずは非常に分かりやすくご説明いただき、ありがとうございました。
私自身、かつて音楽活動をしていたこともあり、NexToneさんには以前から注目しておりました。過去の合併などの経緯も含めて、時代の変化とともに事業がどのように進化してきたのかを見てきましたが、改めてその流れを実感しました。また、最近では若い世代の間でサブスクリプション型の音楽サービスが広く浸透し、もはや生活の一部になっているという点も、今日のお話を通じて非常にイメージしやすくなりました。さらに、著作権使用に基づく単純な収益構造にとどまらず、さまざまな周辺ビジネスをうまく活用しながら、収益化の幅を広げていらっしゃる点にも大いに共感いたしました。
今後も業績を含め、引き続き注目していきたいと思っております。本日はありがとうございました。
▲フィスコ 高井
それでは、これにて本日の対談を終了とさせていただきます。皆さま、本日はご視聴いただき、誠にありがとうございました。
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