1. 2021年12月期第2四半期の業績概要
コーユーレンティア<7081>の2021年12月期第2四半期の連結業績は、売上高11,750百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益1,203百万円(同38.5%増)、経常利益1,208百万円(同41.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益751百万円(同71.3%増)、EBITDA1,959百万円(同26.1%増)となった。セグメント別では、レンタル関連が増収増益、スペースデザインが減収減益、物販が減収増益となり、主力のレンタル関連が業績を大きく牽引した。
売上総利益率は前年同期の36.9%から40.7%へ大きく改善したが、主にレンタル関連で東京2020オリンピック競技大会関連や比較的利益率の高いICT関連が伸びたこと、値引きが減少したことによる。その結果、微増収ながら売上総利益は4,788百万円(前年同期比10.6%増)となった。その一方で販管費は、東京オリンピック・パラリンピック用の臨時倉庫代39百万円が発生し、営業活動が活発化したことなどから人件費も同117百万円増加したが、全体では同3.6%増に止まったことから営業利益は大幅増となった。またレンタル資産を含めた減価償却費は756百万円(同10.2%増)となったことから、EBITDAは1,959百万円(同26.1%増)となった。
2. セグメント別状況
(1) レンタル関連
売上高は前年同期比2.0%増の7,929百万円、営業利益は同55.8%増の1,054百万円、営業利益率は13.3%(前年同期8.7%)と大幅に改善した。
建設現場事務所向けで新規の現場開設が減少傾向にあったものの、デジタルサイネージなどのICTサービス強化や値引きの抑制等により、前年同期並みの売上を確保した。またイベント市場で東京2020オリンピック競技大会向け売上が佳境となり、売上を牽引した。ワクチン接種会場や政府主導の経済対策に付随するBPO(Business Process Outsourcing)案件の受注が継続的に発生したことも売上増に寄与した。また比較的利益率の高い法人向けのICTサービスが好調に推移したことも利益率改善に寄与した。
期間中のレンタル品の調達額(単体ベース)は801百万円、償却原価(同)は523百万円だった。また期末の保有点数は1,031,297点となり、平均稼働率は81.0%となった。
トピックスとしては、野村不動産(株)とレンタルでコラボレーションを開始したことが挙げられる。野村不動産が展開するPMOシリーズは大規模ビルと同等のハイスペックと高機能を併せ持つ新しい中規模オフィスである。同社が提供する機能的で、新しい働き方を提案するレンタル商品“Work style Solution”シリーズのコンセプトが合致し、シェアオフィスの一室にショールームとして設置することになった。ニューノーマルに向けた働き方の提案、個別のニーズに合わせ、上質で機能的なオフィス空間を実現している。また高砂熱学工業関信越支店の建設現場事務所向けに独立型ソーラー電源のレンタルを提案し、休憩スペースで使用するエアコンや照明に活用されることになった。建設現場事務所で使用する電力の一部を自然エネルギーで賄い、環境負荷低減に貢献し、発電モニターを設置し、発電量の見える化を通じて環境意識向上を図る取り組み等もサポートしている。
(2) スペースデザイン
売上高は前年同期比4.3%減の2,141百万円、営業利益は同77.8%減の24百万円となった。首都圏新築マンション市況は改善傾向に転じたものの、前年同期に特需があったことから、前年同期比では減収減益となった。
トピックスとしては、(株)クレ・コーポレーションが福岡県で展開するマンションギャラリーの設計施工、内装工事、室内装飾をトータルプロデュースしたことが挙げられる。 ONEデザインズならではのワンストップサービスで、円滑なマンション販売に貢献している。また香川県直島の宿泊施設「ベネッセハウス」において「自然・建築・アートの共存」をコンセプトに、機能的で快適に過ごせるよう演出された空間にFF&E製作・納品・メンテナンスを通じてトータルサポートしている。
(3) 物販
売上高は前年同期比2.4%減の1,679百万円、営業利益は同59.3%増の124百万円となった。主要販売先である官公庁は需要が底堅く推移するとともに、2020年から力を入れている抗菌コーティングサービスが利益を牽引し、営業利益は前年同期比で増益となった。
トピックスとしては、子会社広友サービスが国立競技場(東京都新宿区)で使用されるホスピタリティFF&Eを納品したことが挙げられる。 国立競技場の「自然に開かれた日本らしい競技場」のコンセプトに沿い、自然との融和、気品や重厚感を基調にしている。また健康経営を推進する広友物産では、従業員の健康増進のためスポーツの実施を積極的に行っている。 広友物産では年齢や性別にかかわらずすべての人が参加しやすいモルックを通じ、多様性を生かした社内コミュニケーションの向上に役立てているが、これに関連して東京MXのテレビ番組『モルックスタジアム』に出演した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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