個別では、マザーズ時価総額上位のメルカリ<4385>が週間で6.5%安、ビジョナル<4194>が同2.8%安、フリー<4478>が同8.8%安と全般軟調。売買代金上位ではFRONTEO<2158>の下落が続き、フレクト<4414>やENECHANGE<4169>、セルソース<4880>は大幅安となった。また、決算発表のイトクロ<6049>は週間のマザーズ下落率トップとなった。一方、JTOWER<4485>は同0.8%高で、売買代金上位ではサイエンスアーツ<4412>や日本電解<5759>が買いを集めた。導出薬の試験結果が好感されたステムリム<4599>は上昇率トップとなった。ジャスダック主力では東映アニメーション<4816>が同7.4%安。売買代金トップのフェローテックHD<6890>も売りに押された。また、やはり決算発表のランドネット<2991>が週間のジャスダック下落率トップとなった。一方、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>は同6.7%高。田中化学研究所<4080>などは賑わい、クリエアナブキ<4336>が上昇率トップとなった。IPOでは、後払い決済大手として注目されたネットプロテクションズHD<7383>が公開価格を下回る初値形成となり、ブロードエンタープライズ<4415>とTrue Data<4416>もやや上回る程度にとどまった。
来週の新興市場では、引き続きマザーズ指数が低調に推移するとみておきたい。IPOラッシュに入り投資資金が市場に還流してくることを期待したいが、IPO銘柄が賑わったとしても指数組み入れ前とあって直接的な押し上げ効果はない。そのIPO銘柄も値動きが悪ければ、個人投資家の資金回転は改善しづらいだろう。また、今週末の米NYダウが大幅続落したように、各国中銀の緩和姿勢後退などから外部環境にも不安がある。
個人投資家の売りが続くなか、信用買い残の水準が低く、ここ1カ月ほどの値動きがまずまず良好な銘柄は相対的に安心感がある。ビジョナル、アンビスHD<7071>、沖縄セルラー電話<9436>、芝浦電子<6957>などといったところが挙げられる。また、やや荒い値動きとなる可能性はあるが、日本電解や田中化研といった車載電池の関連銘柄も人気が続くか注視したい。
IPO関連では、来週1週間で24社が登場する異例の上場ラッシュとなる(ZEALSが上場中止)。FinatextHD<4419>(12月22日)、リニューアブル・ジャパン<9522>(22日)、エクサウィザーズ<4259>(23日)など注目度の高い企業も多い。しかし、今週上場した3社の株価が苦戦を強いられているのを見ると、懸念は払しょくしづらいだろう。ピークの24日は7社もが同時上場し、買いが分散しがちとなる点にも注意しておきたい。
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