個別では、マザーズ時価総額上位のメルカリ<4385>が週間で2.2%高、ビジョナル<4194>が同6.0%高と堅調。売買代金上位ではサイエンスアーツ<4412>やアスカネット<2438>が大幅に上昇した。また、中部電力<9502>との資本業務提携が材料視されたカラダノート<4014>は週間のマザーズ上昇率トップとなった。一方、フリー<4478>が同7.6%安、FRONTEO<2158>が同6.9%安と軟調。決算発表のBASE<4477>も売りに押された。また、「Go To トラベル」給付金を巡り調査委員会を設置した旅工房<6548>などが下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力ではハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同6.3%高と堅調。決算発表後に買い優勢となった。売買代金上位では、前の週に上場したセイファート<9213>が活況。また、ツクイスタッフ<7045>が週間のジャスダック上昇率トップとなった。一方、日本マクドナルドHD<2702>は同1.7%安、東映アニメーション<4816>は同7.4%安と軟調で、佐渡汽船<9176>などが下落率上位に顔を出した。IPOでは、2月9日上場のライトワークス<4267>が公開価格を42.9%上回る初値を付け、その後も連日でストップ高となった。
来週の新興市場では、くすぶっていたリスク要因が今週末にかけて顕在化してきたことで、週初から波乱の展開となる可能性がある。米1月CPIが市場予想を上回り、米10年物国債利回りは一時2%台に上昇。また、米高官がロシアによるウクライナ侵攻について「脅威は差し迫っている」などと述べ、日本の連休中に米国株は連日の大幅安となった。個人投資家が取引主体、かつ新興グロース株中心のマザーズでは一段と逆風が強いだろう。
来週は、2月14日にFRONTEO、Appier Group<4180>、フリー、メドレー<4480>、フェローテックHD<6890>、ウェルスナビ<7342>などが決算発表を予定している。ウェルスナビは前期業績の上方修正を発表済み。マザーズ主力の一角であるフリーや個人投資家に根強い人気のあるFRONTEO、半導体関連のフェローテックHDなど、決算発表シーズン最終盤に注目企業が多くある。
IPO関連では、2月17日にエッジテクノロジー<4268>がマザーズへ新規上場する。AI(人工知能)実装支援などを手掛けるが、従前は当初想定価格からの仮条件下振れを警戒する向きが多かった。ただ、同様の条件変更が相次いで環境変化に合わせたものと受け止められつつあるようだ。なお、今週はRepertoire Genesis<9217>(3月18日、マザーズ)の新規上場が発表される一方、トリプルアイズが上場中止となっている。
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